64: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 21:10:42.57 ID:NMaauvKO0
「なんというか……楓さんには、下を向いてほしくないですから。貴方は、笑ってる顔が一番いいんで」
少し面映ゆくて頬を掻きながら、なんとか、安心させたくて、思いつくことを言った気がする。
「貴方のこれからに、僕は必ず居ますから。あなたが望む限り、僕は約束しますから」
貴方の幸せの端っこに僕の姿もあるのなら、しがみ付いててでも、最期まで一緒にいますから。
――言っているうちに顔から火が出そうになって、途中からしどろもどろだったが、言いたいことは伝わったと思う。
楓さんの瞳が、ちょっと大きくなったように見えたから。
「……プロデューサー」
すらりとした脚を組んで、頬杖をついてぷいっと視線を外に飛ばす。
車窓の外の景色は、どこまで来ているんだろう、和歌山はもう、だいぶ近いのだろうか。
「その……けっこう、恥ずかしいこと言ってます」
「うるっさいな。酔ったんですよ。忘れてください」
「……忘れて、あげません」
――いや、間が持たなくなって目を逸らしたのかと思ったら、違う。
何か作ってる。
すでに楓さん専用のサーブカウンターとなった車窓の窓際で、悪ふざけでしかない高級銘酒のドリンクバー。
えっ、混ぜてんの? マジで?
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