317:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:50:57.14 ID:3FrzmiYZ0
「そういえば、よかったですね」
「うん?」
318:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:51:54.67 ID:3FrzmiYZ0
「描けないままでいた方が最終的に幸せだったかもしれない、って、ありえなくはないと思う。
それに、時間が経って、元来た道を振り返っても、後ずさりしても、踏み出した一歩は絶対になくならない」
「そんなこと、ないと思いますよ」
319:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:52:29.34 ID:3FrzmiYZ0
「それで、好きっていう気持ちは、なかでも特別なものだと思う。
……だって、そうでしょ? 自分の見た──錯覚した幻を、さらに美化してるんだから」
「……」
320:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:53:27.32 ID:3FrzmiYZ0
【文化祭 2ー9】
「失礼します」
321:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:54:16.40 ID:3FrzmiYZ0
忘れないうちに、さっき部長さんから受け取った入部届を先生に出した。
あと一人か、と言われたから、もう二人入る予定です、と言っておいた。
ヒサシ先生は、「へ?」とまたしても目を丸くして、それから笑った。
322:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:55:20.80 ID:3FrzmiYZ0
「ちゃんと部長やれてるか?」
「はい。今回の部誌作成も、かなり引っ張ってくれました」
323:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:55:51.22 ID:3FrzmiYZ0
そんな言葉が飛んでくるとは思っていなかったから、思わず声を失う。
先生は私の顔を見て、何かを思ったようだった。
書類と入部届を手に、先生は席を立つ。
324:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:56:23.22 ID:3FrzmiYZ0
「ていうか結婚なあなあにしてるヒサシちゃんにそんなこと言われる筋合いないし」
「おい、胡依……」
325:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:57:13.36 ID:3FrzmiYZ0
【文化祭 2ー10】
閉会式は特に盛り上がりもないまま、つつがなくとり行われた。
326:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:57:50.75 ID:3FrzmiYZ0
挨拶やら総評を終え、閉祭宣言が出された後、部室に戻ってぐだぐだと片付けを始めた。
ソラは水泳部の助っ人としてプールで泳いでいたようだった。
俺の夏はまだ終わってねえ、と言っていたが、普通に寒そうにしていた。
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