183: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/12(金) 19:27:06.11 ID:kta593FJ0
「ミカ、あの、本、ありがとう」
声が震えている。
184: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/12(金) 19:27:58.08 ID:kta593FJ0
「サンドイッチ、ご馳走さま。あまり美味しくなかったよ」
「えへへ、やっぱり」
気恥ずかしそうに笑って、千代美も立ち去った。
185: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/12(金) 19:29:18.20 ID:kta593FJ0
【千代美】
参ったなあ、ミカにはバレちゃったか。
まあ、それはそれ。いずれバレるものだったんだと思うことにする。
186: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/12(金) 19:30:10.53 ID:kta593FJ0
「聞いて頂戴。カチューシャったら酷いのよ」
今日のダージリンはカチューシャとどこかで食事をしていたらしい。
お酒を飲んだカチューシャを車で送ろうとしたら、乗りたくないと言ってわざわざノンナを呼び出して帰ったとかなんとか。
187: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/12(金) 19:30:54.53 ID:kta593FJ0
「私にその本を預けたのは、あの人なんだ。名前は忘れたけど」
何て言ったっけ、あの、カチューシャのせいでよく走り回ってるハイエースの人、とミカは記憶と格闘している。
あれ、それってもしかして。
188: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/12(金) 19:31:39.92 ID:kta593FJ0
「でね、彼女はカチューシャの呼び出しでこの場を離れざるを得なくなった」
そこに弁当箱を持った私が来合わせたのさ、とミカは淡々と説明した。
そしてノンナから本を預かったミカは、ダージリンが帰ってくるまでそこに居たって訳か。
189: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/12(金) 19:32:26.46 ID:kta593FJ0
「ノンナが我々に気付いていたということは、彼女は店に居たのか」
ああ、そう言えばそうか。ノンナはマルヤマさんが追い掛けたのが私達であることに気付いてたからここまで来れた。
って事は店に居たんだ。
190: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/12(金) 19:32:57.14 ID:kta593FJ0
ともあれ、ちゃんとお礼しないとな。
ノンナは元より、出来ればマルヤマさんにも。
ひとまず、夕飯作るか。
191: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/12(金) 19:34:20.60 ID:kta593FJ0
【まほ】
千代美は夕飯を作りに部屋に戻った。
さっきまで本を抱えて泣いていたというのに、彼女は本当に強い。
192: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/12(金) 19:34:57.00 ID:kta593FJ0
「今朝のサンドイッチね、あまり美味しくなかった」
頭に血が上るのを感じる。こいつは一体何を言い出すんだ。
咄嗟にミカの胸倉を掴もうとしたが、ダージリンに制された。
193: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/12(金) 19:35:29.54 ID:kta593FJ0
「『違う』、か」
「ああ、それだ」
千代美の料理に何か問題でもあるのだろうか。彼女の料理を口にする者は軒並み『店が開ける味だ』などと言う。
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