516: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/07/07(土) 23:00:53.92 ID:IzoT3soA0
身長、196cm。体重、118kg。彼が敬愛して止まない某ハリウッド俳優と(凄く気持ち悪いことに)ピッタリ一致した、日本人としては規格外の数値。彼はその大きな身体を少し窮屈そうに背もたれに預け、腕と足を組んで椅子に腰掛ける。
ただ大きなだけではなく、彼の身体は徹底的に鍛え抜かれたものだ。0.1tを越える体重の大半は筋肉とそれを維持する骨格で構成されており、数値以上の存在感が彼の巨?に付与された結果“日本人離れ”は“人間離れ”にランクアップした。
ギコさんをはじめ、艦娘が生まれる前から深海棲艦と生身で戦い、そして沈めてきた猛者が集う“海軍”。その世界最強の部隊が20人以上も寄り集まった機内にあっても、彼の巨?は一際異彩を放つ。ましてやそんな人物が無言で俯き座ったままぴくりとも動かないとなれば、彼のことをよく知っている私でも言い知れぬ威圧感を感じてしまう。
517: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/07/07(土) 23:29:02.24 ID:IzoT3soA0
この中では一番の新顔であり提督と過ごした時間がまだ鎮守府の中では短い方の私に対し、古鷹は彼の指揮下としては古参の一人だ。その──本来提督の奇行には特に耐性がある方である筈の──彼女が困惑しているという事実が、彼の今の姿の異様さを表している。
「うわっ……本当によく揺れるね。ウチの妹が完全にダウンする前に早いとこ着陸して欲しいな」
(,,゚Д゚)「……空襲での敵艦隊排除が案外難航してるくせぇな、対空砲火がおさまらねぇ。こちとら早いところこのクソガキから離れてえってのに」
518: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/07/07(土) 23:32:19.16 ID:IzoT3soA0
( T)「……」
自分の艤装を装着し異常がないか確認しながらちらりと提督の方を見ると、彼は既に戦闘用意を終えていた。相変わらずらしくない“無言”のままだけど、別に腑抜けた逆に気負っていたり調子が悪かったりという様子もない。少なくとも、見る限りは指揮や作戦行動に支障を来す状態ではなさそうだ。
(なら、今は提督を心配する必要はないかな)
519: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/07/07(土) 23:57:01.18 ID:IzoT3soA0
私は軽空母であり、本来は戦闘機を飛ばす側であって戦闘機や飛行機に乗る側ではない。加えて任務の巡り合わせから、空輸される経験自体実は指折り数えられるほど少なかったりする。
それでも、直感で解った。今の揺れは“ダメな揺れ方”だと。
《Shit, Stork-01 One hit!! One hit!!》
520: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/07/08(日) 00:46:03.24 ID:2S9GHnYJ0
怪奇現象に事欠かない私達の鎮守府においても、今のところ所謂“神”ないしそれに準ずる存在との邂逅はない。
521: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/07/08(日) 01:29:05.12 ID:2S9GHnYJ0
(#T)「椎名、部隊の死傷者は!」
(*;メ゚ー゚)「レリック二曹が上腕を骨折、戦闘行動は困難!それと阿南一曹も足をやられてます!私、猫山少尉、他は軽傷多数も戦闘に支障なし!」
(#T)「その二人は応急処置の後運び出せ!ギコ、救護要請は!?」
522:名無しNIPPER[sage]
2018/07/08(日) 09:13:54.18 ID:/Ylumcfno
モノローグめっちゃ流暢やんけ……
523:名無しNIPPER[sage]
2018/07/08(日) 10:36:50.71 ID:nfQJ4ON30
直前の回想も瑞鳳のか……マッ鎮作者の方でどんなぶっ飛んだ物を見せてくれるかと楽しみにしていたんだが
524:名無しNIPPER[sage]
2018/07/08(日) 12:31:22.78 ID:Hi5RZQmA0
おつおつ…饒舌なんだなw
それにしても精鋭部隊でも蹴散らされるなあ…
525: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/07/08(日) 23:04:55.77 ID:2S9GHnYJ0
(,,メ゚Д゚)「レリックは一先ずこれで大丈夫だ!しぃ、阿南の方は!?」
(メ*;゚ー゚)「うん、固定したから運ぶだけなら………ひゃあっ!?」
私が返答(?)した直後、すぐ近くで砲弾の炸裂音が立て続けに二つ、三つと鳴り響く。……音の大きさから推察するに、落下した位置は20Mと離れていない。
526: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/07/08(日) 23:52:52.70 ID:2S9GHnYJ0
「僕が周りをやる!古鷹は中核の航空隊を!」
「解りました!────敵航空隊捕捉!射撃開始、射撃開始!」
空に向けられた二門の機銃が、火を噴く。古鷹の20mm連装機銃から吐き出された太い火線と、それにまとわりつくようにして放たれる時雨の7.7mm機銃の火線が敵航空隊を真っ向から迎え撃つ。
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