エンド・オブ・オオアライのようです
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517: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/07/07(土) 23:29:02.24 ID:IzoT3soA0
この中では一番の新顔であり提督と過ごした時間がまだ鎮守府の中では短い方の私に対し、古鷹は彼の指揮下としては古参の一人だ。その──本来提督の奇行には特に耐性がある方である筈の──彼女が困惑しているという事実が、彼の今の姿の異様さを表している。

「うわっ……本当によく揺れるね。ウチの妹が完全にダウンする前に早いとこ着陸して欲しいな」

(,,゚Д゚)「……空襲での敵艦隊排除が案外難航してるくせぇな、対空砲火がおさまらねぇ。こちとら早いところこのクソガキから離れてえってのに」

「は?」

(,,゚Д゚)「あ?」

……まぁ、“提督”になる前から彼と付き合いがあるギコさんやこと彼のことになるといろいろと敏感な時雨が特に意に介していないため、実際には大したことじゃないと見ることもできそうだけど。古鷹も提督に声をかけたそうな仕草を見せているが、自然体な二人の様子にそれほど心配すべき事なのかイマイチ判断しかねているらしい。

それでも心優しい彼女は、意を決し顔を上げ再び提督の方に視線を向ける。

「………あのっ、t!」

《Stork-01より全搭乗員に通達、後20秒で着陸する!総員戦闘用意!繰り返す、総員戦闘用意!》

「あう………」

──が、直後に操縦士からのアナウンスが機内に響き、かけるべき声を失った彼女はがっくりと頭を垂れる。元々私に“かける言葉”なんてない(ご飯に卵をかけるのは好き)けれど、それにしてもこの計ったような間の悪さは同情を禁じ得ない。

(,,#゚Д゚)「よし、戦闘用意だ!!敵は手強いぞ、心してかかれ!!」

「「「Sir, yes Sir!!」」」

「────んぇ」

因みに、端っこの席ではギコさんの大音声での檄を聞いて雲龍がようやく夢の世界から帰還した。……この騒音の中でというのもそうだし、流石にいつ撃墜されるか解らない状況下で安眠できるほど図太い艦娘は“海軍”全体でも両手の指におさまるぐらいの人数しかいないだろう。個性のサラダボールと化している我が鎮守府においても、彼女のメンタルの強靱さは群を抜いている。


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