422: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/05/21(月) 22:53:44.44 ID:9CD0GS6L0
深海棲艦側が打とうとしている“次の手”。その内容自体は、正直大洗女子学園に奴らが現れた時点で大体察しがついていた。私だけではなく、防衛に参加する大体の自衛官・艦娘がそれが起きることをを予想できていたと思う。
ハワイ・オアフ島、リスボン、アムステルダム、ベルゲン、海南島、ムルマンスク────そして、ベルリン。記録される対深海棲艦戦闘において人類側が特に甚大な被害を被った戦いと、今の状況はあまりにも類似点が多すぎるから。
《CPより大洗鎮守府、【潜水艦棲姫】の状況を報告されたし!》
423: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/05/21(月) 23:03:12.26 ID:9CD0GS6L0
CPの無線通信を遮る形で、潮風に乗ってそれらの“音”は聞こえた。
錆び付いた金属の板に爪を立てて渾身の力で引っ掻いているような、耳障りでおぞましい“咆哮”。全身の肌が思わず粟立ってしまう響きのそれが、何十も重なって業火で熱された大洗町の空気を揺るがす。
間髪を入れず、砲声。大洗女子学園の甲板上から響いているものよりやや軽い………だけど、遥かに近くで立て続けに響いたそれらの後に、何十発もの砲弾が私たちの頭上を駆け抜けていく。
424: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/05/21(月) 23:20:44.86 ID:9CD0GS6L0
実際中内二曹の動揺と恐慌は、無理もないことではある。特に奴らの強襲上陸艦隊は、規模もさることながら出現の仕方が“降って湧いた”としか言い様がない唐突なものだった。何もなかった場所、それもしっかりとレーダー・電探が警戒していた場所に突然艦隊が湧いて出るなど、常識的に考えてあり得ない。
だが、どれほどそれが“あり得ない”ことであっても、起きてしまった以上はそれが現実だ。ならばそれを受け入れ、対処するより他はない。
ましてや今私達がいる場所は、最前線のそのまた前面なのだから。
425: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/05/21(月) 23:48:18.92 ID:9CD0GS6L0
《命中、効果あり!!》
「第二射、撃て!!」
『ガアッ…………』
426: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/05/22(火) 00:27:44.20 ID:hsFkCUXP0
「怪獣映画ならブーイングの嵐ですね、敵のお目見えと同時にろくな顔出しもさせず最大火力で迎撃とは」
「本物の戦場でお約束なんかクソ食らえよ!」
砲手の大隈二曹の言葉に、私は彼女には見えないと知りつつ肩をすくめた。
427:名無しNIPPER[sage]
2018/05/22(火) 01:47:23.66 ID:l9GRkvOA0
待ってました!
…それにしてもこの大乱戦を見てると、圧倒的な戦略眼で死地を凌ぎきるドクや、不屈の精神で敢闘し続けるミルナ中尉が化け物過ぎるw
428:名無しNIPPER[sage]
2018/05/22(火) 11:34:27.34 ID:Wk2Bz9gOO
乙
429:名無しNIPPER[sage]
2018/05/22(火) 11:44:28.00 ID:4CEfyEit0
おつ
430:名無しNIPPER[sage]
2018/05/22(火) 21:18:26.47 ID:fZjZ8KqZ0
おっ久々
431: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/05/22(火) 23:38:26.15 ID:hsFkCUXP0
特に厳しいのは大洗海岸通りの苦境だ。
この方面で深海棲艦による橋頭堡の確保を許せば、港湾部に展開する自衛隊の主戦力と大洗鎮守府が分断される形になってしまう。既に海上からの猛攻によって青息吐息の状況下、陸路からの攻め手が加わればおそらく鎮守府の失陥は免れない。
那珂川以北───ひたちなか市方面からの援護を期待しようにも、向こうは私達以上に防衛戦力配備が遅れている上避難未完両区域も多い。おそらく、先ほど湾内を北上していった敵海上艦隊を艦娘部隊で食い止めるのが精一杯の筈だ。
432: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/05/23(水) 00:05:49.13 ID:oiVjuCQQ0
『ォアアッ!!』
『ボォオッ!!』
「うわわわわわわっ!!?」
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