425: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/05/21(月) 23:48:18.92 ID:9CD0GS6L0
《命中、効果あり!!》
「第二射、撃て!!」
『ガアッ…………』
息継ぐ間もなく、二度目の砲声。最大1000mmのRHA(均質圧延鋼装甲)をぶち抜ける貫通力を誇る砲弾が、今度は頭部と胸部右側に命中しブヨブヨと弛緩した青白い皮膚をぐちゃぐちゃに引き裂く。
頭部に風穴を開け、上半身の右半分を抉り取られた5m強の化け物は、小さく呻き声を上げてそのまま仰向けに倒れた。
《敵艦撃破を確認!なお艦種は確認できず!》
「確認の要なし!目標変更、第三射!」
「照準よし、Fire!!」
『グァガッ!!?』
ヒトマルの砲塔がぐるりと回転し、44口径120mm滑空砲が三度吠える。埠頭に乗り上がろうとしていた敵艦──形状から大雑把に推測する限り駆逐種の何れか──があごのあたりに直撃弾を食らい、衝撃で亀のようにひっくり返って海に転落した。
『ォオオォ……グァアッ!?』
「弾着、弾着!」
「とにかく火線を途切れさせるな!迫撃砲と無反動砲はなるべく一個体に攻撃を集中しろ!」
別の角度から私達に狙いをつけようとした艦影には、軽機関銃や84mm無反動砲、60mm迫撃砲の弾丸が押し寄せる。流石に威力・貫通力に大きく劣る分大破轟沈とはいかないが、集中攻撃に怯んでその動きは完全に縫い止められる。
「2号車、併せて!!」
《了解!Fire!!》
『ギィッ………』
すかさず、たたき込まれるとどめの徹甲弾。三つ首のそいつは立て続けに五発の連射を浴び、右側と中央の首を穴だらけにされて前のめりに崩れ落ちる。
「グッジョブベリーナイスよ!!」
会敵から数分と経たず二隻の轟沈、しかも反撃は皆無。滑り出しとしては上々だ。なおも敵艦隊の動向に神経を向けながら、私は2号車と足下の砲手に賞賛の声を送る。
油断はできない。だが、間違いなく深海棲艦の出鼻を挫くことには成功した。
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