エンド・オブ・オオアライのようです
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432: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/05/23(水) 00:05:49.13 ID:oiVjuCQQ0
『ォアアッ!!』

『ボォオッ!!』

「うわわわわわわっ!!?」

当然、攻撃は一発では終わらない。先陣の二隻────巨大な顎と青色に輝く単眼が特徴的な、【駆逐ハ級】たちが口内の単装砲を私達に向ける。放たれた砲弾を、中内二曹が悲鳴を上げながらもその声の情けなさとは裏腹に見事な操縦で立て続けに躱していく。

「行け行け行け!!」

「視界を奪え!眼にありったけの弾丸をぶち込んでやれ!!」

すかさず、随伴歩兵隊が私達とハ級の間に飛び出す。10挺を越える89式小銃の銃口が一斉にマズルフラッシュを瞬かせ、5.56mm NATO弾をはき出す。

『ギィイイッ!!』

『ゴァアッ!!』

多くの面でリ級やル級といった主力艦に能力が劣る非ヒト型とはいえ、相手の皮膚の硬度は“軍艦並み”だ。10挺どころか千挺集めたってたかが自動小銃では貫けない。

だが弾丸が炸裂し飛び散る火花は、奴らの視界を奪うには十分なようだった。二隻のハ級は威嚇するように歯をカチカチと鳴らしながら、明らかに不快げに咆哮する。

「後方の安全確認………発射!!」

『ギァアアアッ!!?』

その鼻っ柱に叩き込まれるのは、84mm無反動砲のロケット弾。直撃を受けた左手のハ級が、今度は明確に苦悶の声を上げた後激しくのけぞり蹈鞴を踏む。

「今よ、撃て!!」

「照準よし、発射ぁ!!」

『ゥオオオオオッ!!!』

むき出しになった腹部に狙いを定め、1号車と2号車による同時砲撃。だけどその射線を、もう一体のハ級がまるでハンマーのように自らの頭部を地面に打ち付けて遮る。

『ガァアッ……!?』

「畜生……!」

寸分違わぬ照準で放たれたAPFSDSは、本来の標的ではなくハ級の横っ面に直撃した。装甲が砕け青く生臭い体液が飛び散るが、ハ級の様子を見る限り致命傷にはほど遠い。少なくとも、もう一体の腹をぶち抜くよりはよほど小さな損害に抑えられてしまった。狙い通りの結果を得られず、砲手の大隈二曹が低い声で毒づく。

「野郎、友軍艦を庇いやがった……!」


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