エンド・オブ・オオアライのようです
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431: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/05/22(火) 23:38:26.15 ID:hsFkCUXP0
特に厳しいのは大洗海岸通りの苦境だ。

この方面で深海棲艦による橋頭堡の確保を許せば、港湾部に展開する自衛隊の主戦力と大洗鎮守府が分断される形になってしまう。既に海上からの猛攻によって青息吐息の状況下、陸路からの攻め手が加わればおそらく鎮守府の失陥は免れない。

那珂川以北───ひたちなか市方面からの援護を期待しようにも、向こうは私達以上に防衛戦力配備が遅れている上避難未完両区域も多い。おそらく、先ほど湾内を北上していった敵海上艦隊を艦娘部隊で食い止めるのが精一杯の筈だ。

「ったく、どうしたもんかしらね……っ!」

「正面、敵艦隊再浮上を確認!!」

打開の手を探すべく思考を巡らそうとすれば、再び盛り上がる海面とその下から現れた異形の軍艦に強制的に中断される。

『『ォオオオオォオッ!!!』』

「全速後退!!」

「散開………ぐぁあっ!!?」

ファーストルック、ファーストショット、ファーストキル。今度は向こうが、戦闘の“原則”を忠実に実行した。

浮上と同時に先鋒二隻がはき出した砲弾は、全速力で後退した私達の目の前で地面にめり込み炸裂する。逃げ遅れた陸士が一人、爆風に吹き飛ばされ私達の真上をすさまじい速度で通過する。

グシャリという、人体が衝撃で潰れる生々しく湿った音が背後で響く。……その光景を目にせずすんだのは、悪いけど不幸中の幸いだ。眼前で“それ”が起きていたら、今度こそ私は嘔吐を免れなかっただろう。


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