7: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/28(木) 19:19:08.32 ID:yFDg0/wv0
🎀
それはどこにでもあるような一通の手紙だった。
アイドルとして佐久間まゆが売れ出しはじめたころ、事務所に送られてきたそれはプロデューサーさんの机の上にぽつんと置かれていた。
8: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/28(木) 19:23:23.05 ID:yFDg0/wv0
裏切者。
その言葉が頭のなかで繰り返される。
たぶん端から見ればなんて理不尽なんだってきっと思う。こんなの気にしちゃだめですって言ったかもしれない。
9: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/28(木) 19:26:39.36 ID:yFDg0/wv0
そんなことを思い出したのは、病室の机の上に置かれてある手紙を見たからかもしれない。
見舞いに来た人たちが置いていった手紙。中には見知った名前もあった。
もちろん中身は見ていない。それでもプロデューサーさんへの想いがそれぞれ綴られているだろうということだけは手に取るようにわかった。
10: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/28(木) 19:31:52.59 ID:yFDg0/wv0
「……いろいろお疲れでしたもんね。ゆっくりお休みになってください」
脳に異常はないそうです。だからすぐに目を覚ましますよ。
11: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/28(木) 19:37:28.51 ID:yFDg0/wv0
🎀
あの日から、私はとんでもなく忙しい日々を送っている。
だって、いままでプロデューサーさんがしてくれていたお仕事を、自分でやっていかないといけなくなったんですから。
12: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/28(木) 19:42:55.48 ID:yFDg0/wv0
「ちひろさん……その子は?」
いつも通りプロデューサーさんのお見舞いに行ったあと事務所に着くと、ちひろさんの隣にちょこんと腰かけた女の子の姿があった。
森に住み着いている妖精のような雰囲気をまとっている、どこか童話の世界に出てきそうな少女。見たことのない、少なくともこの事務所のアイドルではないのは間違いないはず。
13: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/28(木) 19:45:20.62 ID:yFDg0/wv0
「二か月後に事務所の定例ライブがあるじゃないですか。実はプロデューサーさん、その場を利用して売り込むために乃々ちゃんをライブに出演させようとしてたみたいなんです」
「……歌やダンスの経験は」
14: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/28(木) 19:47:12.50 ID:yFDg0/wv0
「まゆに考えがあります」
しゃがんで机の下の乃々ちゃんを引っ張り出す。
15: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/28(木) 19:48:48.63 ID:yFDg0/wv0
「まゆが、乃々ちゃんのプロデューサーになります」
16: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/28(木) 19:51:03.99 ID:yFDg0/wv0
今日はここで切ります。
地の文ばっかりで読みづらいかもしれませんがお付き合いいただければ幸いです。
17:名無しNIPPER[sage]
2017/12/28(木) 20:31:34.46 ID:GUuHglV70
まゆかっこよすぎる
106Res/83.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20