モバP「藤原肇とおちょこがふたつ」
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4:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:27:49.99 ID:n8reEq6Z0

といっても肇は(そのころは)未成年だったので、おちょこは無用の長物でしかない。

なので二つとも差し上げますよ、ということで両方とも俺がもらい受けることにした。
いいのか? と問うたが、その方が"二人"とも喜ぶと思います。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:29:08.34 ID:n8reEq6Z0

断っておくがアイドル藤原肇は順調だった。その点が問題だったわけではない。

とくにご年輩の方々からの支持はすさまじいものがあった。
地方巡業、ロケなんかに行くと手を合わせて拝みはじめるご婦人が現れるような始末で、
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:32:15.45 ID:n8reEq6Z0

うちの事務所のアイドルに限ってはそんなことはなかったが、
ほかの事務所となるとてんでだめで、肇自身がおとなしい性格であることもあいまって、
あれよあれよという間に彼女らのターゲットにされてしまった。

以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:34:51.04 ID:n8reEq6Z0

あれから何年もたった。結局俺は同じ事務所にいる。
ただもうプロデューサーはやめて、内勤に異動した。
新たにアイドルを受け持つ気力がなくなったためだ。

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:35:22.11 ID:n8reEq6Z0

6レス。起。



9:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:36:49.83 ID:n8reEq6Z0

そんな日々でも俺には満足だったのかもしれない。
たらればを繰り返して、ありもしないifを追っていればよかったのだから。
非生産的で後ろ向きな、無味乾燥な平和を生きていればそれでよかった。

以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:38:58.87 ID:n8reEq6Z0

先ほどとはうってかわって俺の動作は緩慢になった。諦観は人をスローモーションにする。
追いつかないと知ったとき、人は走るのを止めてとぼとぼと歩き始めるのである。

ぽたぽたと垂れていく酒を無視して、俺は次郎坊を拾い上げた。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:39:58.98 ID:n8reEq6Z0

「太郎坊」、幸田露伴の短編にそういうものがある。
タイトルに惹かれて読んだのはこれもまた最近のことである。
境遇が似ているのでぐいぐい引き込まれて最後まで読んだ。結末も当然存じ上げている。

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:40:39.47 ID:n8reEq6Z0

―――
――



13:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:42:58.80 ID:n8reEq6Z0


国立新美術館。

「新進気鋭のアーティストたちが送る驚異の技巧工芸展」。
以下略 AAS



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