8:名無しNIPPER[saga]
2017/11/20(月) 19:40:26.28 ID:dPfg/dp20
「その顔、懐かしいわ。困っている癖に、仲間に相談もしなかった貴方の顔。
見飽きるくらい見てきた顔……馬鹿な人。
私が居なければ、今頃どうなっていたのかしらね?」
9:名無しNIPPER[saga]
2017/11/20(月) 19:41:44.44 ID:dPfg/dp20
「ふぅ……今日まで、大変だったわ。わかるかしら?私がどれだけ――」
「ああ……」
10:名無しNIPPER[saga]
2017/11/20(月) 19:43:01.59 ID:dPfg/dp20
「――何?言っておきますけど……貴方は私が居なければ、
ボンクラ勇者として歴史から名前が消えたっておかしくなかったわ。
ただでさえ勇者なんて呼ばれるほど大層な人でもないのに、
11:名無しNIPPER[saga]
2017/11/20(月) 19:43:54.10 ID:dPfg/dp20
『アンタにそんなことは出来ないし、やった所で平和を知らない貴方が何を統治するの?』
僕なら出来る。いや、やらないとダメだったんじゃないか?
本当は、それが僕の戦ってきた責務を果たすことだったのでは――
12:名無しNIPPER[saga]
2017/11/20(月) 19:46:09.92 ID:dPfg/dp20
「――わかったでしょう?
ああ、嫌だ。どれだけ言っても言う事を聞かないことだってあったし、
何度もムスッと反発しては無言になるばかり……苦労したわ、本当に!」
13:名無しNIPPER[saga]
2017/11/20(月) 19:47:11.27 ID:dPfg/dp20
「貴方が親だなんて、子供が可哀想と思ったこともあったわ。
……頑張っていたのは認めますけど、私がどれだけ心配だったか……」
「ああ……」
14:名無しNIPPER[saga]
2017/11/20(月) 19:48:23.25 ID:dPfg/dp20
だとしたら、それは間違いだろう。
未来を決めるのは僕達だけじゃない。未来に生きる人々の意思だった。
もしも、世界の未来をあの時閉ざしてしまったら。
15:名無しNIPPER[saga]
2017/11/20(月) 19:51:37.30 ID:dPfg/dp20
戦うしかなかった僕と、戦うことで生きる平和を選ばなかった僕の子供。
誰かと誰かの手を取り、繋ぎ、想いを乗せて光を灯す。
……僕にとっては輝くほど眩しい夢を、追いかけていた。
16:名無しNIPPER[saga]
2017/11/20(月) 19:52:47.38 ID:dPfg/dp20
「……こうやって、最後に文句を言える分、私は幸せかしらね」
「ああ……」
17:名無しNIPPER[saga]
2017/11/20(月) 19:53:28.98 ID:dPfg/dp20
「もう思い残すことはないわ。これで、静かにこの世を去れる……」
「ああ……」
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