4:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 15:21:24.00 ID:5fkFdj7q0
「っ…!そう…そうなのね……」
「本当にもう少しなんだよ……」
5:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 15:21:59.34 ID:5fkFdj7q0
押し寄せる後悔を振り切るように、俺は脚を進める。もっと他の場所は、他の選択肢はなかったのか。別にあそこでなくてもいいんじゃないか。そんなことを考える。考えてしまえばキリがない。けれど、そうして自分を責めてしまったら、自分が全て悪いのだと、断じてしまったら。逆戻りしてしまう。あの頃に。彼女達が引っ張り上げてくれるまで、どっぷりと浸かっていた、あの闇の中に。
6:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 15:22:50.73 ID:5fkFdj7q0
深くなっていく闇に、存在自体が飲み込まれてしまうかもしれない。この森の中の様に。
7:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 15:23:46.11 ID:5fkFdj7q0
ネガティブな方向に向かう思考を、やっとの思いでつなぎとめる。一際大きな段差を乗り越えた時だった。
「きゃっ」
8:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 15:24:29.32 ID:5fkFdj7q0
「少し休むか?」
その姿から半ば無理やり目を逸らし、俺は休憩を提案する。
「いや、その必要はないわ」
9:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 15:26:37.81 ID:5fkFdj7q0
暗闇の中で、山を登っていく時、背景となるものは夜空だ。これが昼間ならば、背景は青空で、どこがこの短い旅の終わりなのか容易に知ることが出来ただろう。しかし、今は夜。先ほど雲間から僅かに覗いていた月も隠れてしまっている。そして人生の中に無数にちりばめられた出会いの様に。唐突に視界が開ける。
「ああ…」
10:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 15:28:39.83 ID:5fkFdj7q0
「ここが目的地なの?」
「ああそうだ」
11:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 20:02:53.46 ID:5fkFdj7q0
少しの間、無言の時間が流れる。
「こんなところまで連れてきて、どうするつもりなのかしらキモヶ谷君」
12:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 20:04:54.72 ID:5fkFdj7q0
「呆れた……そのために、私はこんなところまで連れてこられたのね?」
雪ノ下は頭を押さえて、やれやれという仕草をした。
13:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 20:06:03.66 ID:5fkFdj7q0
「あなた…まさか暗がりに紛れて、私に変なことをするつもりなのではないでしょうね。こんなところに連れてきたのも、助けが呼べないようにするためなのかしら」
「んなわけねえだろ。ほら、前見ろ、前」
14:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 21:06:41.19 ID:5fkFdj7q0
「湖?」
一瞬の逡巡の後、雪ノ下はそういった
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