12:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 20:04:54.72 ID:5fkFdj7q0
「呆れた……そのために、私はこんなところまで連れてこられたのね?」
雪ノ下は頭を押さえて、やれやれという仕草をした。
「ああそうだ」
「本当に最低の男なのね。全く。考えられないわ」
「なあ雪ノ下」
「なによ」
「怒ってるのか?」
「それすらもわからないようなおサルさんだとは思ってなかったわ」
「そうか」
「そうよ」
「なあ雪ノ下」
「………」
「雪ノ下?」
「……今度は何?」
「前見てろよ」
「前?」
「前だ」
「前なら見ていると思うのだけれど」
「いや、今お前が見てるのは俺だ」
「気持ち悪いことを言わないで頂戴。誰があなたみたいな人のこ――――――」
雪ノ下の言葉は最後まで続かなかった。
ブランコを照らしていた照明が消えたのだ。辺りはほんの一瞬、真の闇に包まれる。
「ひゃっ」
かわいらしい悲鳴が、横から聞こえた。
「ひ、比企谷くん、これは一体どういう――――」
「落ち着け、消灯時間になって、電灯が消えただけだ」
雪ノ下の言葉を遮って、俺は状況を説明する。彼女もすぐに理解はしたようで、冷静さを取りもどそうとしているのが伝わってきた。
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