八幡「想いで」
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9:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 15:26:37.81 ID:5fkFdj7q0


暗闇の中で、山を登っていく時、背景となるものは夜空だ。これが昼間ならば、背景は青空で、どこがこの短い旅の終わりなのか容易に知ることが出来ただろう。しかし、今は夜。先ほど雲間から僅かに覗いていた月も隠れてしまっている。そして人生の中に無数にちりばめられた出会いの様に。唐突に視界が開ける。

  「ああ…」

雪ノ下が、後ろで吐息を漏らす。

  「着いたぞ」

そこは小さな公園だった。いや、果たして公園と呼ぶべきなのだろうか。小さく開かれた土地の中、一組のブランコが、ポツンと立っている。あとは遊具らしい遊具もなく、電灯が一本、そのブランコを照らすように立っているだけだ。その光もおぼつかない。

何もかもが―――――――――――

あの日の記憶のままだった。




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