541:名無しNIPPER
2020/07/02(木) 20:10:06.57 ID:xBNddiV40
私はバタバタと慌てて玄関まで走り、お兄さんを出迎える準備をする。
お兄さんが濡れているかも知れないから、タオルを片手に持ち、ドアのチェーンを外した。
542:名無しNIPPER
2020/07/02(木) 20:11:13.24 ID:xBNddiV40
「いやー、外は思ったより降っていたけれど、大きめの傘だったから殆ど濡れなかったね。
出かける前に一緒に見ていたテレビの天気予報さまさまだよ」
「ふふ、それは良かったです」
543:名無しNIPPER
2020/07/02(木) 20:13:07.62 ID:xBNddiV40
そしてそのまま事務所のソファまで運ばれ、一番フカフカのクッションを敷いた所に私を置いた。
どうやら無意識のうちに滂沱の如く涙を流していたようで、
544:名無しNIPPER
2020/07/02(木) 20:14:21.15 ID:xBNddiV40
恰好を部屋着にシフトしたお兄さんは、片手にコーヒーを持って私の横に腰を下ろした。
そのまま何も言わず、私の頭にそっと右手を伸ばして、自分の肩元に抱き寄せる。
545:名無しNIPPER
2020/07/02(木) 20:15:15.50 ID:xBNddiV40
「サンディ、懐かしい歌を知ってるね」
「え、あの……さっきラジオで聞いていたので……」
546:名無しNIPPER
2020/07/02(木) 20:16:05.75 ID:xBNddiV40
「サンディ、ハードボイルドが生きる時間帯って知ってるかい?」
「いえ……分からないです……」
547:名無しNIPPER
2020/07/02(木) 20:16:45.09 ID:xBNddiV40
その感触で正気に戻り、お兄さんの顔を見つめる事無く、
我ながら物凄い勢いで台所の奥へと駆けだした。
548:名無しNIPPER
2020/07/02(木) 20:18:26.20 ID:xBNddiV40
貴方は自分を真夜中の世界の住人みたいに仰いましたけれど。
それを聞いた私は、貴方の事をそうは思っておりません。
549:名無しNIPPER
2020/07/02(木) 20:21:05.34 ID:xBNddiV40
日々なかなかの勢いで忙殺されていて、家の役割が風呂と就寝くらいしか果たせていない今日この頃。
投下が遅くなって申し訳ございません。
ボチボチと書いてはいますので、またゆるりとお付き合い頂ければ幸いです。
550:名無しNIPPER[sage]
2020/07/02(木) 20:24:53.51 ID:HhIAA2dDo
待っててよかった、…、!
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