543:名無しNIPPER
2020/07/02(木) 20:13:07.62 ID:xBNddiV40
そしてそのまま事務所のソファまで運ばれ、一番フカフカのクッションを敷いた所に私を置いた。
どうやら無意識のうちに滂沱の如く涙を流していたようで、
ようやく首元の襟筋まで濡れていることに気づき、割と新品の服を汚したようで申し訳ない気持ちがある。
お兄さんは心配しながらも、内証について深くは聞かず、
私にホットミルクを作ってくれた。じんわりと心まで温めてくれる、優しい味。
彼は私がミルクに口を少しずつ付けるのを、見守るように微笑んでいたあと、
部屋着に着替えるために自室へ戻った。
ふっと、また歌が頭を駆け巡る。
美しい歌の歌詞が、私の口から零れてくる。
「サンディ、声が綺麗だね」
自室の奥からお兄さんの声が聞こえ、私は気恥ずかしくなって俯いた。
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