クラリス「あたたかで素晴らしい日々に」
1- 20
26: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 15:11:21.82 ID:r5zFZECu0
 教会に入るなんて、初めてのことだった。


 礼拝堂には平日の朝から自由に入れるとあったが、扉を開けるのには少なからず躊躇いがあった。

以下略 AAS



27: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 15:13:11.45 ID:r5zFZECu0
 教会の中に入る。

 外に比べて、遥かに空気が暖かい。


以下略 AAS



28: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 15:14:01.90 ID:r5zFZECu0
 気が付けば、その声に聴き入っていた。

 心が洗われるような感覚だった。



29: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 15:15:27.55 ID:r5zFZECu0
 その存在は、その歌声は、教会の中に完全に溶け込んでいるような気さえする。

 その声音からでも、心の底から気持ち良さそうに歌っているのがわかる。

 僕の気配に気付いてか、不意にシスターがこちらを振り返り、歌声が止まった。
以下略 AAS



30: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 15:16:12.66 ID:r5zFZECu0
「あら、あなた様は」

 顔を上げた彼女と目が合うと、向こうは口元に手を当てて、なにかを思い出しているようだった。

 やがて、彼女の目尻が少しだけ下がる。
以下略 AAS



31: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 15:17:30.53 ID:r5zFZECu0
「この教会にくるのは、初めてですか?」

 彼女が遠慮がちに尋ねてくる。

「教会にくること自体、初めてなんです」
以下略 AAS



32: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 15:21:35.58 ID:r5zFZECu0
「先ほどは拙いものをお聞かせしてしまいました」

 彼女は照れを隠すように、自分の頬に触れた。

「とんでもない、綺麗な歌でした」
以下略 AAS



33: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 15:23:23.57 ID:r5zFZECu0
「ここでは、祈ることができます」

 最初に彼女はそう言った。

「祈らず、座るだけでも構いません」
以下略 AAS



34: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 15:24:06.23 ID:r5zFZECu0
 拒む理由はなかった。


「Pと申します」

以下略 AAS



35: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 15:25:17.77 ID:r5zFZECu0
 クラリス。頭の中で何度かたしかめるように繰り返す。

 彼女に対して勝手ながら築いていたイメージにそぐう名前だった。


以下略 AAS



36: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 15:27:05.63 ID:r5zFZECu0
「ええと、本日はこちらに、どのような御用でいらっしゃいましたか?」

 思い出したように、彼女がそう切り出した。


以下略 AAS



74Res/35.53 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice