33: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 15:23:23.57 ID:r5zFZECu0
「ここでは、祈ることができます」
最初に彼女はそう言った。
「祈らず、座るだけでも構いません」
柔らかな声が耳に心地良い。
「いつでもここには入ることができますが、毎週日曜には礼拝を開いております」
「このところ諸事情によって開けておりませんが、いつか開いた折には是非、お越しください」
僅かに彼女の声色が曇る。
「失礼ですが、あなた様のお名前を頂戴しても?」
彼女は胸の前でぽん、と手を合わせて、そう尋ねてきた。
「この教会では、参列にきてくださった方のことをお名前で呼ぶようにしているのです」
もちろん無理にとは申しませんが、と付け加えられる。
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