9: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:43:08.89 ID:n8F8dLyB0
池袋晶葉は八神マキノのもとを訪れていた。
「貴女のデータを?」
「ああ。見せてほしい」
10: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:44:22.84 ID:n8F8dLyB0
「貴女に関するデータとして収集はしているわよ。……はい、これね」
開いたページにはウサちゃんロボの作成理由やスペックについて記されている。
「おい、設計図まで載ってるじゃないか」
11: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:45:24.46 ID:n8F8dLyB0
言われてみれば、晶葉の作るロボはもっと機械チックな見た目をしている。
「そっちの方がカッコいいからな!」
晶葉の感性についてはノーコメントでマキノは思いつく理由を考える。
12: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:46:40.03 ID:n8F8dLyB0
前川みくと多田李衣菜はレッスンルームで新曲の練習をしていた。
だが歌を合わせている最中、李衣菜が急に歌うのをやめてしまった。
「李衣菜チャン。歌うのやめちゃうなんてどうしたにゃ?」
13: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:47:40.46 ID:n8F8dLyB0
だってそれは、みくも曲を貰った時から。
「みくちゃんだって、本当は同じこと思ってるんじゃないの?」
「……っ!」
14: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:48:36.79 ID:n8F8dLyB0
依田芳乃は本日何人目かになる相談を受けていた。
「そっか。ごめんなよしのん。変なこと聞いて」
「よいのでしてー。力になれず申し訳なくー」
15: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:49:28.26 ID:n8F8dLyB0
悩む芳乃にまた新しい来客がやってきた。
「芳乃、いるか?」
来たのはプロデューサー、そして彼もまた他の皆と同じような表情をしている。
16: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:50:21.77 ID:n8F8dLyB0
何かが足りない。
その日目覚めた時から、誰かがそう感じていた。
もしかしたら地球にいる皆が。
17: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:51:42.15 ID:n8F8dLyB0
『記憶・記録消去処理は完全に遂行されました。貴女がこの星にいた痕跡は無事に消去されました』
『お疲れ様でした。迎えの船が到着するまでお待ちください』
その日の早朝、安部菜々は自宅のアパートでウサミン式記録消去装置がその役目を正しく遂行したことを確認していた。
18: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:52:41.77 ID:n8F8dLyB0
キラキラのステージ、オシャレな衣装、響く歌声、鳴り止まぬ歓声。
すべてのウサミン星人が知らない、感情の力がそこには溢れていた。
初めて見たアイドルの衝撃はすさまじく、菜々はどうにかあの場に溢れていた力をウサミン星の目的に利用できないかと考える日々を過ごし、考えるうちにウサミン星とは関係なしにただアイドルになりたいと願うようになっていた。
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