11: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:45:24.46 ID:n8F8dLyB0
言われてみれば、晶葉の作るロボはもっと機械チックな見た目をしている。
「そっちの方がカッコいいからな!」
晶葉の感性についてはノーコメントでマキノは思いつく理由を考える。
「当時の貴女が思いつかないなら、他の誰かから意見を取り入れたんじゃないかしら?」
「それも考えた。だが当時の私が自分のためのロボを作る際に、他の誰かに相談なんてしないはずなんだ。まだ自分で何でもできると思っていた時期だからな」
自分のためのロボについて、デザイン等の相談はしない当時の晶葉が作ったウサちゃんロボ。
しかしそのデザインは当時の晶葉が思いつくものではない。
「ならウサちゃんロボは貴女のためのロボじゃないのでは?他のアイドルだったり、もしくはイベントのために作成したとか」
「頼子のためにしては子供向けなデザインだし、夕美なら花モチーフぐらい入っているはずだ。ウサちゃんロボのデザインが似合うアイドルが、私を含めてあのイベントにはいない」
そういうものだろうか。
少なくとも晶葉がウサちゃんロボを抱えている姿は人気のようだったけれど、とマキノは思ったが今言うことではないと口には出さなかった。
代わりに晶葉が感情を抑える声で呟いた。
「……これは荒唐無稽な話で、こんなこと私が言っていいことかわからない話なんだが」
「もしかしたらあのイベントに、この事務所にはもう一人、誰かがいたのかもしれない。記録にも記憶にも残っていない誰かが。そして」
「その人は私にとって、まだ事務所に入ったばかりの私がロボを作ってあげるくらい大切な人だったかもしれないんだ」
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