9: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:43:08.89 ID:n8F8dLyB0
池袋晶葉は八神マキノのもとを訪れていた。
「貴女のデータを?」
「ああ。見せてほしい」
晶葉が要求したのは、マキノが集めているであろう事務所のメンバーに関するデータから自身のデータを見せてもらうこと。
「他人のならともかく、自分のデータを見たいと言ってくる人は珍しいわね。私のデータは日記帳じゃないのだけれど」
「もともと非合法に手に入れた私の情報だろう。なら自分で見るぐらい許可してもらいたいものだが?」
晶葉の言葉にマキノは少し考え、従うことにした。
他の人ならともかく、晶葉など特定のアイドルとは下手に敵対しない方が自分の趣味を続けるにあたって都合がいい。
「まあ、いいわ。それで、どのデータを知りたいの?」
「私がウサちゃんロボ、お月見ウサちゃんロボを作った時のデータを見たい。時期はお月見の頃だ」
「あら、その時期はまだ私はこの事務所にいなかったわよ」
「でもデータはあるんだろう?」
バレている、というよりも信頼されているといった口調にマキノは多少のやり辛さを感じながらも、笑みは崩さずにデバイスを操作する。
「ふふ、もちろん。ちょっと待ってね。……出たわ」
「ふむ。秋夜のお月見会。参加アイドルは古澤頼子、相葉夕美、そして池袋晶葉か。ライブの曲などその他の情報も私の記憶と同じだな。すまないが、ウサちゃんロボについての詳細なデータもあるだろうか」
晶葉はデータを見てもまだ何か納得がいっていないらしい。
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