2: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2017/09/18(月) 21:15:25.33 ID:7RDyd5GI0
「よし! 10点のトリプルだから30点だ!」
地元の駅近くにあるゲームセンターでダーツをプレイすることになったが、正直言って俺はあまり集中できていなかった。
なぜなら友達であり、同性であるはずの□□にすっかり見惚れていたからだ。
こいつは男の中では小柄ではあるが、中学の頃に運動部に入っていた。
3: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2017/09/18(月) 21:16:40.97 ID:7RDyd5GI0
結局この日のダーツで俺は惨敗し、明日の昼飯をおごることになった。
「あー、今日も楽しかったなー」
日が沈みかけた帰り道、□□は大きく伸びをしながら笑顔を浮かべる。
4: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2017/09/18(月) 21:18:01.28 ID:7RDyd5GI0
そして数十分後、俺は□□と別れて自宅に到着した。
「ただいまー……」
5: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2017/09/18(月) 21:20:01.66 ID:7RDyd5GI0
「うう、今日もお前は可愛かったなあ……」
俺は壁に貼りつけてある『□□たち』に頬ずりをしながらつぶやく。こんな行為ができるのも、一人暮らしならではだ。
中学を卒業する間際、俺のあいつへの恋心は既に限界を迎えていた。
6: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2017/09/18(月) 21:21:16.07 ID:7RDyd5GI0
「どうしてお前はこんなに俺を夢中にさせるんだ? どうしてお前はこんなに美しいんだ? どうしてお前は……」
そんな問いかけをしても、返ってくる言葉なんてない。
そんなことはわかりきっているのに、俺の口からは言葉が止まらない。
7: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2017/09/18(月) 21:22:25.40 ID:7RDyd5GI0
その姿はいつもと変わらず俺を魅了しているが、唯一、その大きな目だけはいつもと全く違う輝きを放ち、俺を捉えて離さない。
その輝きは蛇が獲物を見るかのように鋭く……そして冷たかった。
「あの、違うんだ□□。これはその」
「なにが違うの? 男友達の写真をこんな壁一面に貼りつけるなんて、『普通は』しないよね?」
8: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2017/09/18(月) 21:23:50.36 ID:7RDyd5GI0
次々と衝撃的事実が明らかになり、目が泳いでしまう。口の中が乾いていく。
いや待て。もしかしたらこれはチャンスかもしれない。どうせバレているんだ。こうなったら、言ってやる。
「□□! 聞いてくれ!」
「なに?」
9: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2017/09/18(月) 21:24:35.56 ID:7RDyd5GI0
「あのさあ、僕にそんな趣味ないんだよね。僕が何で君の気持ちに気づいていたのに離れなかったのかって、ただ単に隠し通しているつもりだった君が面白かっただけ。だけどもう飽きたからネタバラシしたってわけ」
「そ、そんな……」
「でもさあ、もし君の行いを警察や君の両親に言ったら……多分僕とは二度と会えなくなるよねえ?」
「ま、待ってくれ! それはやめてくれ! お前に会えなくなったら、俺は……!」
10: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2017/09/18(月) 21:25:31.18 ID:7RDyd5GI0
「じゃあ、土下座しろよ」
「え?」
「僕のことが好きなんだろ? じゃあ、それくらい出来るよね?」
「あ……は、はい!」
11:名無しNIPPER[sage]
2017/09/22(金) 08:08:16.98 ID:gqEf932DO
続きはよ
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