2:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/13(水) 21:35:50.60 ID:t50tah/9O
長引いたレッスン。長引いた仕事。お互い予定が長引いて遅くなって、更にその後とりとめもない会話を重ねたおかげで深い夜へまで至って。だから一緒に帰ることになった私たち。どしゃ降りの雨の中、持ってきたはずの傘を忘れた私はプロデューサーさんの横へ寄り添うようにして歩いて。そうしてここ、このプロデューサーさんの家まで辿り着いた。
本当はタクシーでも使えばよかったのだろうけど。……プロデューサーさんも、そうするようにしつこく言葉を重ねてきたのだけれど。……でも強情でずるい私は折れず、わざと雨の中へと躍り出て「ほら、担当アイドルに風邪を引かせるつもりなの」なんて言ったりして、そうして散々困らせた末ここまで来た。
偶然、けれど必然。いつかこんな偶然が重なることがあったなら、そのときは絶対に自分の願いを叶えてみせる。そう思っていた私に訪れた偶然を、それまで思っていた通り私は叶えた。
3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/13(水) 21:36:47.21 ID:t50tah/9O
タオルを持っていないほうの手で持ち上げてみせる。この浴室へ入る前、脱衣場の鏡で何度も何度も確認した身体。汚いところはない、シャワーを浴びてほどよく火照った……内から溢れ出る興奮を隠しきれず、つんと立ち上がって主張してしまっている以外は完璧に装えている身体。その胸を、プロデューサーさんへと見せつけるようにして持ち上げる。
目の前の私の姿から注がれる衝撃にまた声を出せなくなるプロデューサーさん。……きっと声を出せない理由の内のいくらかには、見惚れてくれているというそれもあるはず。現に顔はだんだんと赤色へ染まってきて、何より湯の中のそれが主張を強めている。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/13(水) 21:37:29.51 ID:t50tah/9O
(…………あぁ)
きっと濡れている。さっきまで浴びていたシャワーのせい、上がってから溢れてきた汗のせい、そして何より強く熱く興奮して漏れ出てきてしまっているもののせいで濡れているそこ。プロデューサーさんに見てもらいたいとずっと思っていた、プロデューサーさんに見てもらうためにずっと整え続けてきたそこ。それを見られて、思わず心が高く跳ねる。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/13(水) 21:38:23.73 ID:t50tah/9O
とんとん。湯から顔を出したプロデューサーさんの膝を叩いて示す。
それを開いて。そうして私を受け止めて。そんなふうに想いを込めながらとんとん、と。
6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/13(水) 21:38:59.16 ID:t50tah/9O
込み上げてくる恥ずかしさや照れを耐えて強行した私のその行動にプロデューサーさんも動揺したらしい。足を閉じる力がふっと弱まって、開こうとする私の手の動きを抵抗なく受け入れてくれた。
受け入れられて、開かれたそこ。もう一度閉じてしまう前に私はそこへ腰を下ろす。気持ちを逸らせて少し水飛沫を上げてしまいながらもそこへ下りて、そうしてしっかりと嵌まり込む。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/13(水) 21:40:05.50 ID:t50tah/9O
決してずれて離れてはしまわないよう、座った位置は固めつつ。背を胸へともたれかけ、それまで行き場を失ってゆらゆらと泳いでいた腕を捕まえてそれに抱かれる。
上に乗った私をプロデューサーさんが後ろから抱きしめている。そんな体勢。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/13(水) 21:40:46.27 ID:t50tah/9O
(…………あは、ぁ)
心臓が飛び出てしまいそう。頭が沸騰してしまいそう。自分が自分でなくなってしまいそう。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/13(水) 21:41:53.44 ID:t50tah/9O
「……そういえば、ねぇ、プロデューサーさん」
思えば今までのこれ。こんなどうしようもないほどの感覚。これを私へ感じさせてきたのは、全部プロデューサーさんだった。ライブの時、誰よりも瞳を輝かせて喜びながら私を抱きしめてくれた。撮影の時、どんな小さな一瞬も逃さずにまっすぐ私のすべてを見ていてくれた。私にこんな感覚を与えてくれるのは、プロデューサーさんだった。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/13(水) 21:42:37.32 ID:t50tah/9O
「……それは……そんなの」
「ないのかしら」
「ない、というか」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/13(水) 21:43:22.10 ID:t50tah/9O
言葉を止めてしまうプロデューサーさんへ続きを促す。
なんなのだろう、という疑問。もしかしたら、という期待。二つを混ぜ合わせた想いを込めて、続く言葉を求めて願う。
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