速水奏「裸で重なる一時」
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/13(水) 21:43:22.10 ID:t50tah/9O
 言葉を止めてしまうプロデューサーさんへ続きを促す。

 なんなのだろう、という疑問。もしかしたら、という期待。二つを混ぜ合わせた想いを込めて、続く言葉を求めて願う。


「……奏だから」

「……私、だから……?」

「そう。……奏だから意識した。奏だからあんなになった。それは、他の人にも慣れているわけじゃないけど……それでもあんなになったりしない。からかわれてああなるのは、奏だから。……だから、なんだよ」


 耳元で囁かれる言葉。

 言葉を紡ぐ度に胸の鼓動が早鐘を打つのが分かる。プロデューサーさんも、そして私も。熱くなる。苦しいくらいに昂って、どうしようもなく濡れてしまう。

 もしかしたら、と思っていた言葉。それを少しも違わず……むしろ越えてさえきてくれたそれを受けて、心が自然と沸き立ってしまう。


「……そうなの」

「だから」

「……?」

「だから、やめてくれ」


 プロデューサーさんから、拒絶の言葉。

 深く深く押し付いて。強く強く抱きしめて。そんな身体の状態とは真逆の言葉。それが耳元へ注がれる。


「やめて。……どうして?」

「……このままだと、きっと奏を不幸にする」

「不幸?」

「ああ」

「……そう」


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