260:名無しNIPPER[saga]
2017/09/26(火) 23:31:10.28 ID:1qpUpdjR0
「よく言ってくれた」
「うんうん、やっぱりプロデューサーはすごいよ!」
「それなら、みんな安心だね」
なのに、この場に居る人間は、高垣楓以外にその言葉を賞賛する。
261:名無しNIPPER[saga]
2017/09/26(火) 23:32:13.43 ID:1qpUpdjR0
――『ばけもの』は、見ていた。
高垣楓は、理解した。
もう、人々が求めているのは高垣楓の皮を借りた『ばけもの』なのだと。
想像の中で肥大化し、それでいて自分たちの思い通りになる化け物なのだと。
262:名無しNIPPER[saga]
2017/09/26(火) 23:32:58.98 ID:1qpUpdjR0
◆◆◆
年が明ける前に、高垣楓はアイドルを引退した。
皆、それを予見していたかのように大いに騒ぎ立て、彼女に関連する情報は年明けのお茶の間を散々にかき回す。
263:名無しNIPPER[saga]
2017/09/26(火) 23:34:12.33 ID:1qpUpdjR0
「ですが」
情けなく追いすがる男を置き去りにし、瑞樹は帰路を急ぐ。
瑞樹の胸に、苦い感情が溢れる。もう少し若ければ、殴り倒していただろう。
264:名無しNIPPER[saga]
2017/09/26(火) 23:34:47.97 ID:1qpUpdjR0
以上となります。
ありがとうございました。
265:名無しNIPPER[sage]
2017/09/27(水) 00:01:26.57 ID:MoWO1bnJ0
乙
266: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2017/09/30(土) 10:19:10.85 ID:ktVirj9S0
投下いたします。
267: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2017/09/30(土) 10:20:37.39 ID:ktVirj9S0
ほたる「あの……白菊ほたる、です……」
ほたる「この世には、不思議なことってたくさんありますよね」
ほたる「私も、今朝は不思議と犬に吠えられなかったです。……不思議じゃないですか? ……そうですか」
268: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2017/09/30(土) 10:21:44.54 ID:ktVirj9S0
加蓮は浴槽に張ったお湯に手を浸し、その温度を確認した。
少し熱いかな? と思い、水を継ぎ足しながら、差し込んだままの手でゆっくりとお湯をかき回す。
水を止め、なまぬるくなったお湯から手を引き抜く。たぶんこのぐらいでいいだろう。
浴槽のふちをまたぎ、普段入浴するときよりは少なめに張ったお湯に身を沈める。
底面におしりをつけ、脚を伸ばすと、おへその上あたりまでぬるいお湯が上がってきた。かすかに揺らぐ水面が肌をなでているようで、少しこそばゆく感じた。
269: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2017/09/30(土) 10:22:53.39 ID:ktVirj9S0
自宅の浴室であることは間違いない。だけど、なぜかタイル張りの床が見えた。それから浴槽が見えた。
浴槽には人が入っていた。加蓮だった。
加蓮は、加蓮を上から見下ろしていた。
思わず悲鳴を上げた。
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