261:名無しNIPPER[saga]
2017/09/26(火) 23:32:13.43 ID:1qpUpdjR0
――『ばけもの』は、見ていた。
高垣楓は、理解した。
もう、人々が求めているのは高垣楓の皮を借りた『ばけもの』なのだと。
想像の中で肥大化し、それでいて自分たちの思い通りになる化け物なのだと。
もう、私は『高垣楓』として求められていない――そう、悟ったのだ。
僅かに考え込む。
答えは、決まっていた。
――『ばけもの』は、もう、高垣楓ではなかった。
「私が居たら、『高垣楓』は誰の隣にも居られませんね」
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