女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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96
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/08/29(火) 21:30:39.47 ID:KsUO0z3M0
照は、あくまで僕に心の準備と、諦めるという選択肢を濃厚に示しただけだった。救いはなかった。
これになんと答えるか、それは決まっている。だがなんと答えるのか、どう説得するのか。
予感があった。予定調和めいた不幸。
諦めれば、僕の人生は決まる。だが諦めなければどうなる? ただ、ろくなことにならないのは確定していた。
以下略
AAS
97
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/08/29(火) 21:31:25.78 ID:KsUO0z3M0
「おまえは思ったことがあるはずだ。この組織の存在は、むしろ結果論でいえば、市民の団結と法の統治を補助している、と」
まさか。
以下略
AAS
98
:
名無しNIPPER
2017/08/29(火) 21:31:55.60 ID:KsUO0z3M0
「――我らが住まうは、犠牲の都市だ」
99
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/08/29(火) 21:32:24.17 ID:KsUO0z3M0
続く
100
:
名無しNIPPER
[sage]
2017/08/30(水) 13:14:19.51 ID:t/Y+Rjq/o
おおう…
乙
101
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/08/31(木) 21:49:13.90 ID:iVDTxJdE0
◇
「嘘だ」
「目をそらすな。わかっているんだろう?」
以下略
AAS
102
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/08/31(木) 21:50:09.72 ID:iVDTxJdE0
「ここが小さいか、そう見えるか。確かにそういう見方もある。おまえの言う通り、照も俺も、世界の変革者でありたかった。だがそんな場所は、な? 現実に存在しないんだ。政府にたてついて、人を殺して……それでなんになる? 個が巨大な組織に敵うことはない。俺一人がなにをやったって、所詮無意味だ。消去法的選択。だから一番重要な位置に、俺はいるんだ」
「重要? ここが?」
「ああ、お前も見ただろう。ここはそんなにうまく回っているわけじゃない。完璧とは程遠い。だが反逆者役を誰かがやらなくてはならない。そんなことができる奴なんて、世界中探しても、俺ぐらいだ。俺にしか、できないんだよ」
そういうボスの言葉は。
以下略
AAS
103
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/08/31(木) 21:51:05.24 ID:iVDTxJdE0
「どうだ?」
「……」
「お前のここまでの行動、姿勢、照から聞かされたときは感動すら覚えたぞ。いきなりスーパーマンみたいなことをするわけでもなく、現実的に、できることだけをおまえは選択してきた。それはすなわち、英雄的な行動に酔っていないことの証拠だ。本気で助けようと思っていたんだろう。並みの人間ができることじゃない。しかし、運が悪かったな」
以下略
AAS
104
:
名無しNIPPER
2017/08/31(木) 21:51:49.26 ID:iVDTxJdE0
いつだって思い出す。
秘密の場所。薄暗い空間。風の舞う感触。
甘い匂いが鼻腔をくすぐる。
以下略
AAS
105
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/08/31(木) 21:53:53.87 ID:iVDTxJdE0
ようするに、賭けだった。
ここは魔境の領域。事前の予想のほとんどは意味をなさず、相手から抜き取った情報から話を展開しなければならない。
だが、最初の一歩には確信があった。
ボスによって思い知らされた。僕はなにも知らなかった子供。なにもできない一般人。それを確信したからこそ、僕は思う。そもそもここまでこれたのも、ただの偶然なのだろうか?
以下略
AAS
106
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/08/31(木) 21:54:40.96 ID:iVDTxJdE0
「ボスは世の中のすべてを知るために若いころに走り回った、と言いました。そこで聞きたいんですが、今の政治はなぜこんなに整っているのです? レジスタンスが機能しているのはわかる。しかし、今の政治体制は王政だ。政治内容には投票が用いられ、民意は社会を動かしているが、それを王はすべて拒絶できるし例もある。王自身がなにか政策をできる状態でもある。しかし、これだけの絶対権力を持っているのに暴君がでないんです?」
「……」
「間違いなく、裏で支配している者がいるはずです。絶対権力は飾り。本当は誰かが操作している。そして……その手のものは、ボスに接触したと思うんですよ」
以下略
AAS
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