女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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101:名無しNIPPER[saga]
2017/08/31(木) 21:49:13.90 ID:iVDTxJdE0



「嘘だ」
「目をそらすな。わかっているんだろう?」

 そう。嫌になるぐらいに。

 考えた事はあった。だがあまりにも突拍子で、ありえない可能性と、切り捨てた。

「組織の多くは知らない。知っているのはほんの少しの、信頼できる上層部のみだ」

 そうだ。僕がおかしいと思ったのだ。ボスや照が思わないはずがない。無意味な行動を、二人がするはずがない。つまり、絶対の保証と、根拠があったはずなのだ。

「ほとんどは不満をもったごろつきだ。第一、こんな組織が普通持つはずがないだろう? ほかに犯行組織がほとんどないのも変だ。この都市の統治は完璧に近いんだ。まだなにか、言ったほうがいいか?」
「……もう、いいです」

 つじつま合わせの答え合わせ。そうだ、考えれば考えるほど不自然だ。だがそんなもの、よほど注意深く見ないと見えてこない。ほかに考えることなんていくらでもあった。それになにより、組織は現実として存在していた。目の前にあるコップは実は机だなんて、いったい誰が思う?

「そういうことだ。俺たちは政府の犬だ。おまえに絶対に協力しない」

 絶対。

 全てつながってくる。照の言葉も、なぜ僕の言葉にボスがたいして耳を傾けなかったのかも。

「なんで……なんでボスがそんなことをしているんです? 政府の犬、だなんて。あなたはそういう人に見えない……照だって! 自分が小さくないことを望んだ! 世界にとっての重要人物に、なろうとした!」

 とてもとても、認められない。ボスも照も、なにかを自分で変えることを望んだ。はかりしれない存在だった。それゆえに小さなところに居られない、そのはずだ。
 現実? 現実的に不可能だから?
 噛み合わない。納得できない。



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