女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/08/31(木) 21:53:53.87 ID:iVDTxJdE0
ようするに、賭けだった。
ここは魔境の領域。事前の予想のほとんどは意味をなさず、相手から抜き取った情報から話を展開しなければならない。
だが、最初の一歩には確信があった。
ボスによって思い知らされた。僕はなにも知らなかった子供。なにもできない一般人。それを確信したからこそ、僕は思う。そもそもここまでこれたのも、ただの偶然なのだろうか?
「ボスは、いまの立場になろうとしたきっかけはなんですか?」
「……まあ、答えてやろう。世の情勢を若い時に見て、やれることを探したんだ。目標がないころは世の仕組みを理解しようとして走り回った。俺がこの思考になったのはすべてを知り、これが最善と知った時だ。あまり若い時ではない。きっとお前もそうなるはずだ」
僕はボスの出自を知らない。レジスタンスに入るまではどこで生きてきたのか、なにをしてき
たのか。
「違います」
「……おいおい、こんなところを否定してなにがしたいんだ?」
失望したような声。相手が理性を失ったと判断し、話をするのが無駄だと、悟った声。
だからこちらに意識を再び向ける必要があった。
「あなたはひとりの人物によってきっかけを得たはずです。ほかのものなんて結果論的に理由になったに過ぎない」
ボスの様子は特に変わったところはなかった。しかし、ボスは相手の様子から情報の正誤をつかみ、読心するということに関してはプロだ。わかりやすい反応なんて示さない。
「男です」
「あてずっぽうなことを言って俺の関心でも買いたいのか?」
ここで確信する。ボスはここで「違う」なりなんなり、否定の言葉を言わなかった。つまり、少なくとも関心はこちらに戻っている。
「僕があったのは自分を呪い師と名乗る男でした。水晶玉を持たない、死に敏感な影のような人物」
ぎらり、とボスの目が輝く。それはわかりやすいアクションだ。「もっと話せ」と先を促す、素人目にもわかる行動。
――まずは卓也が言っていた言葉を。
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