女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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名無しNIPPER
2017/09/08(金) 20:21:39.90 ID:c9qxGCK40
「あなたの気分を害する情報の可能性があります。前もって言っておきますが、あなたは真理を求めるタイプに見えます。なので私はすべてを話しますが、止めたいときは言ってください。可能な限り、汲み取ります」
「わかりました」
「では……。私たちはサルではないということです。ここの方針は『我々は人間である』なので、一部を除いた人道的な支援を行います。また、これは言い訳でもあるのです。犠牲になる人に感謝していると、申し訳ないができるかぎりのことはするから許してほしい、と」
「……」
「無論、あなたが私たちを許す必要はありません。ただ、理解が得られなくてもやれることを最大限する。……私たちにはそれだけしかできませんから」
以下略
AAS
115
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/09/08(金) 20:22:21.35 ID:c9qxGCK40
「この都市の秘密はそれだけ?」
「いえ……もう一つあります」
「なに?」
「この政治は幼少期から専門の教育を受けた議員によって動き、王が決定を下します。大まかな方向はすべて王によって決められ、実質の独裁です。ここまでは知っていますよね?」
以下略
AAS
116
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/09/08(金) 20:23:06.05 ID:c9qxGCK40
きっと、運が悪かったのだ。だがそんなことで納得できるわけではない。
告白しておけばよかったなあ、なんてことを思う。彼はどんな反応をするだろうか。きっと、最初は動揺するに違いない。そのあと困ったような顔をする。でもきっと、嬉しそうに私を受け入れてくれるはずだ。まあ、私のうぬぼれかもしれないけど……。
でも、と思う。告白しなくてよかったかもしれない。そんなことをすればきっと、彼は余計に苦しむ。きっと、だから、私は……。
以下略
AAS
117
:
名無しNIPPER
2017/09/08(金) 20:23:41.86 ID:c9qxGCK40
◇
僕はゆっくりと周囲を見渡す。彼女を救うために、裏の支配者とやらがいれるのなら、地下にある都市からそれほど遠くないところに居を構えているはずだろう。少なくとも、ばかげた遠方からはるばるくる……なんてことはないと思いたい。僕らの都市に、飛行機を作る技術というのはあるにはある。だがそれでも、利便性を考えれば車で来れるぐらいの距離であるのが妥当だろう。
以下略
AAS
118
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/09/08(金) 20:24:14.58 ID:c9qxGCK40
途端に皆の目の色が変わる。
トカゲがいた。しっぽの短い、普通にいそうでいない、地上でみた初めての生物。
「捕まえよう」と三番が言う。
以下略
AAS
119
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/09/08(金) 20:24:42.71 ID:c9qxGCK40
「待ってください隊長」
「どうした一番」
「危険生物が存在する可能性がでたんですから、決め事を作っておくべきです。襲われたらどうするか、とか」
以下略
AAS
120
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/09/08(金) 20:25:37.77 ID:c9qxGCK40
……気づく者、といえばいいんだろうか。
レジスタンスの真実を知る僕は、統制のシステムに、政府が並々ならぬ労力をかけていることを知っている。例えば……批判の統制をするために、その批判者は実は政府の回し者だったりする。一般的集団心理を利用した誘導法。誰かが不満の声を先頭に立ってあげているなら、自分が先頭に立つ意味はない。ついていくだけでいいのだ、といった誘導。
しかし、これだけのことをしても、これほど長い時間、完璧に統制できるかどうかは難しい。その難しいことをボスが担ってはいるが……。
ボスは裏の支配者が「いる」と言っていた。だがやはり、想像以上になにも足取りをつかめていないのではないのだろうか?
以下略
AAS
121
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/09/08(金) 20:26:06.99 ID:c9qxGCK40
続く
122
:
名無しNIPPER
[sage]
2017/09/09(土) 20:10:48.95 ID:uCAIC+q0o
面白いよ
乙乙
123
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/09/09(土) 23:04:41.56 ID:43vqk7Yd0
◇
進行は順調だった。危惧されていた危険生物との接触もなく、半日。生物はほとんど見かけなかった。見たのは最初に見たトカゲと、ムカデのような虫。きっとこれら以外にも生物の種類は生存しているはずだが、絶対数が少ないのか、遭遇できていない。
見つけた生物にもあまり近寄らなかった。トカゲはどうせ逃げられるとわかっているし、あのトカゲの進化のことを考えると、防護服があるとはいえ、虫の毒やらも怖い。当然、地表の虫の解毒剤などないので接触は危険だった。
以下略
AAS
124
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/09/09(土) 23:05:15.15 ID:43vqk7Yd0
「どうしたんだ?」
「あの……その……」
「焦らすな。可能性だけの話でもいい。話してみてくれ」
「……」
以下略
AAS
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