女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/09/08(金) 20:24:14.58 ID:c9qxGCK40
途端に皆の目の色が変わる。
トカゲがいた。しっぽの短い、普通にいそうでいない、地上でみた初めての生物。
「捕まえよう」と三番が言う。
「慎重にいけ、まんがいち防護服が破れたら死ぬぞ」と隊長。
「僕が回り込みますよ隊長」
「任せた四番」
「では俺たちは横に……」
囲い込む形になった。
三番がにじり寄っていく。
「なんか、興奮するな」
「生き物なら都市でも見れるだろう」
「だが見ろよ二番、こいつ、みたこともない種だ。そもそもここで生き延びてるってだけで奇跡の生物みたいなものだぞ」
「たしかに」
トカゲは目を閉じていて、眠っているように見えた。こんな無防備に、と思ったがどこを見渡しても砂しかないこの場所では、どこも同じようなものなのかもしれない。
ゆっくり、ゆっくりと近づいていく。みんな興奮に酔っている。単純だな、と我ながら思う。しかし、そういったものに身をゆだねるのも悪くない。
実行するのは三番だ。身振り手振りで今から捕まえると合図。自然と周囲の気が締まる。
――瞬間、トカゲが動いた。
三番の手を潜り抜け、駆け抜けた。
みな意表を突かれた。しかし、それだけではない。
「……嘘だろ」
三番が驚いた声を上げた。
トカゲは速かった。明らかに普通以上に。
もう終わりか? とでもいいたげなトカゲを見送る。予想外だった。
「すごいな……」
「隊長?」
「これが地上種なんだよ……! 明らかに普通じゃない。この五百数年で、急激な進化を遂げたに違いない……!」
みな色めき立った。そうか、と納得が降りる。自分たちは大発見をした、そういった興奮が周囲を囲った。
「しかし、注意しなければいけないかもしれませね」
そういったのは二番だ。
なぜなら、と彼は言う。
「生物が進化したというのは我々人間にとって不利なことかもしれません。過去にあった戦闘機、核など、兵器全般が衰退している我々は、地上では捕食される側にもなりえます。そういった危険生物がいるとしたら……我々は武力を強化せざるをえないでしょう。今は平和な都市ですが、武力の統制がおいつかなくなるかもしれません」
隊長が困ったような顔をする。水をさされた、とでもいいたげな表情だ。
「たしかに、そうかもしれん」
「地上への進出はまだしばらく後になるかもしれませんね」
「……まあ、まだそうときまったわけでもない。先に進もう」
それを止める者がいる。
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