女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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124:名無しNIPPER[saga]
2017/09/09(土) 23:05:15.15 ID:43vqk7Yd0
「どうしたんだ?」
「あの……その……」
「焦らすな。可能性だけの話でもいい。話してみてくれ」
「……」

 すう、と息を吸い込む一番。

「たぶん、ワイヤーが切れてます」
「……なに」

 今回用いているワイヤーはピンと常に張っているものではない。進むごとに背中から出てくる仕組みになっている。だからワイヤーが切れたとして、違和感はほんの少ししか感じない。地表では金属性のものはすぐに劣化し、自壊してしまうため、ワイヤーは特別製だった。耐久性は決して低くはないが、金属には劣る。

「全員、確かめろ」

 言われるまでもなく、皆が始めていた。
 軽く引っ張ってみる、が確信が持てない。本当についているか? ついていないのか?
 ここに来るまでに、少し不安になりワイヤーを引っ張ったことがある。そしてその時の感触と比べると……。

「……切れてる」

 ばかな、と思う。どうやって? 一体なにが、こんなことをできたんだ?
 予感がある。偶然ではないと。そしてこれは……。

「二番、切れてます」
「三番、繋がってません」
「……こちらもだ」

 ――押し寄せる恐怖、焦燥感。

「急げ!」

 一番が走ろうとする。それを二番が腕を掴んで止めた。

「おまえ!」
「無駄だ、どこで切れたのかもわからない。立ち止まって考えるべきだ」


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