331: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/09/30(土) 23:09:19.50 ID:U4rZd3EOO
時雨の“くない”は目標を貫いてからも10m程飛翔した後、重力に従って落下し床で一度カツンと乾いた音を鳴らしてバウンドする。それを合図にしたように撃ち抜かれた敵が前後の穴から血を吹き出して倒れ込み、撥ねた赤い飛沫が鎮守府内の白い壁に染みを作った。
「───Clear」
足下に転がる20と幾つかの“人間だったもの”が身じろぎ一つしないことを確認して、“海軍”兵の1人がナイフに付着した脂をウィングスーツで拭いながら告げる。
332: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/01(日) 00:35:25.56 ID:z5UIO6u1O
(,,゚Д゚)「それでファルロ、ガングートが反乱軍に拘束されているとして監禁できそうな場所は?」
( ̄⊥ ̄)「………真っ先に浮かぶのは地下独房だ。機関艤装を外した状態の艦娘なら戦艦でも壊せないよう、戦車道の戦車に用いる特殊カーボンを加工した金属で作られた格子がある。
提督としての執務室も最上階だが司令室はまた地下だ。此方は部屋自体の造りは牢屋以上に頑丈でもある、可能性としてはこの二部屋が最も高いな」
333: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/01(日) 21:02:28.94 ID:9pbkn8HwO
本日は再び更新厳しいです。
出張(出向?)期間が本日で終わる(はず)なので、明日から更新安定させられるように頑張ります。
本当に、今回亀更新続きで申し訳ありません
334:名無しNIPPER[sage]
2017/10/02(月) 01:19:25.83 ID:38DS9K1A0
ドンマイです
リアルが大変ならあまり無理せずに、こちらはいくらでも待てますしw
335: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/10/03(火) 22:33:08.43 ID:4G/CO/uY0
地下……か。高度数千メートルの上空から地面の下までとは、世界中で活動する俺達“海軍”の仕事場は縦向きに対しても際限がないらしい。マントルと宇宙空間に行く機会がありゃ地球上の完全制覇達成だ。
(,,゚Д゚)「……って、宇宙は地球上には含まれないわ」
( ̄⊥ ̄)「?」
336: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/10/04(水) 21:46:46.38 ID:KBfEQrQA0
(,,゚Д゚)「Ostrich、裏口の制圧はどうなっている?」
( ゚∋゚)《OstrichよりWild-Cat、既に突入・制圧に成功した。Верный以下ロシア兵にも欠員無しだ》
(,,゚Д゚)「OK、そっちももう話を聞いてるかも知れんが敵は未だ地下に戦力を温存している可能性が高い。更にГангутが囚われていた場合こっちもかなりの確率で地下に拘束されている。
337: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/10/04(水) 21:49:04.05 ID:KBfEQrQA0
無線自体は直ぐに繋がったが、そこからしばらく耳に届いてくるのは銃声や爆発音、そして人の叫び声ばかり。一向に返答はないまま、たっぷり20秒ほどの時間が過ぎる。
《此方Sparta、鎮守府南部区画より突入したがさっきも言ったとおり敵多数に囲まれている!》
そろそろ焦れてきた頃に飛び込んできた返事は、まるで1キロも向こうから声を届かせようとしているかのような叫び声。鼓膜がびりびりと痛むほど震え、思わず一瞬無線から耳を離した。
338: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/04(水) 21:53:55.14 ID:KBfEQrQA0
( ゚∋゚)《……急に沸いてきたな》
(,,゚Д゚)「大方待ち伏せだろうよ、引きつけて鎮守府ごと包囲して殲滅って寸法だ。……元からか即席かは解らんが」
ムルマンスクの総人口に対する兵力として考えると少なすぎるが、俺達空挺部隊にとっては悪夢のような物量だ。
339: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/04(水) 22:04:58.87 ID:KBfEQrQA0
殲滅は無理だろうが、“敵”が前時代の市民革命のような密集陣形で進んでくるなら艦砲射撃と【リトルバード】による空爆で相当な打撃は与えられる。鎮守府到達までの遅延・時間稼ぎは十分にできるはずだ。
その間に、俺達で地下を一気に制圧する。
( ̄⊥ ̄)「………」
340: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/04(水) 22:10:25.62 ID:KBfEQrQA0
鎮守府の電源は生きているはずなのだが、地下への階段を照らすのは緑色の非常灯だけ。お世辞にも十分な光量とは言い難く、踊り場の所だけがストリップ・ショウの舞台上のように照らし出されている。
(,,゚Д゚)「ライト点けろ!」
( ̄⊥ ̄)「暗がりはなるべく作るな!とにかく広い範囲をくまなく照らせ!」
341: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/04(水) 22:15:41.84 ID:KBfEQrQA0
数秒間、沈黙の中にパネル操作の電子音だけが響く。それは一際高い沸騰したやかんみたいな音を残して終わりを告げ、開く扉の隙間から空気が逃げる「プシューーッ」という間の抜けた音が後に続いた。
そして扉の中から漂ってきて頬を撫でたのは、背筋が思わず震えるような外と遜色ない温度の“冷気”。
「Clear!」
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