ある門番たちの日常のようです
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331: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/09/30(土) 23:09:19.50 ID:U4rZd3EOO
時雨の“くない”は目標を貫いてからも10m程飛翔した後、重力に従って落下し床で一度カツンと乾いた音を鳴らしてバウンドする。それを合図にしたように撃ち抜かれた敵が前後の穴から血を吹き出して倒れ込み、撥ねた赤い飛沫が鎮守府内の白い壁に染みを作った。

「───Clear」

足下に転がる20と幾つかの“人間だったもの”が身じろぎ一つしないことを確認して、“海軍”兵の1人がナイフに付着した脂をウィングスーツで拭いながら告げる。

……噎せ返る血の臭いに壁に張り付いた脳漿や眼球の残骸、千切れた腕やら足やらが正面の階段にまで吹っ飛んでいる様を「綺麗」と表することに疑問を抱かないでもないが、軍隊用語なのでそこは仕方が無い。

(; ̄⊥ ̄)「………仮にも北欧防衛の任に選ばれた精鋭部隊の強襲を、よくもこうまで一方的にあしらえるものだな」

(,,゚Д゚)「なんならお宅も自ら武器持って深海棲艦とステゴロ繰り広げてみるか?ル級の生首掲げて高笑いするキチガイの後ろ2ヵ月もついて回りゃ世の中のだいたいが大したことないように思えてくるぞ」

( ̄⊥ ̄)「……遠慮するよ」

(,,゚Д゚)「そりゃ残念だ」

半ば本気の感想だが、ファルロの人柄を考えるとそれは正しい選択でもあると思う。

今回のような裏切り者ならともかく、まともな部下や同僚が目の前で7割方死に絶える戦場の存在なんて知らない方が幸せだ。

尤も、間もなくそれが再び世界中で当たり前の光景になるかも知れないわけだが。


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