■■「島村卯月をはじめましょう」
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6:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 21:55:32.65 ID:55jPn/3I0
「私が、島村卯月、なんですか?」

 カメラの前の女性は、私を島村卯月と呼びました。
 だけど、私を構築する情報に『島村卯月』であると言う情報はありません。
 もちろん、今さっき流れてきた情報の中にも、私を『島村卯月』と強制的に定義するような情報はありませんでした。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 21:56:15.83 ID:55jPn/3I0
「なぜ、笑うんですか? 私と言う存在を構築する上で、これは障害と言ってまちがいないですよ」

 だと言うのに、女性は嬉しそうに目を細めて笑う。

「いいのよ。ふふっ」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 21:58:05.33 ID:55jPn/3I0
◇◇◇

 『島村卯月』は、アイドルに憧れる17歳の極々普通の女の子です。
 ちょっとおっちょこちょいで、ぽやっとしているけれど、一生懸命な頑張り屋。
 頑張り屋、と言いましたけど、それは筋金入り。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 21:59:01.31 ID:55jPn/3I0
「それが、島村卯月ですか?」

「ええ。どこにでもいる普通の女の子。それでも、憧れを胸に歩き続けた少女よ」

「ただし――」
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 21:59:31.10 ID:55jPn/3I0
 それもこれも、この人だからでしょう。
 わざとらしいくらいの甘ったるい声に、素顔も分からないくらいの濃いお化粧。でも、飄々としていて、楽しくて……優しくて、温かくて、この人なら、本音を言っても大丈夫だと、確信できました。

「プロデューサーさんのいう島村卯月は――データ上の存在ですよね」

以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:00:03.19 ID:55jPn/3I0
◇◇◇

 カメラからの映像をシャットアウトして、情報を最適化します。
 目を開いたときに広がっていたのは、小さなお部屋。
 暖色の壁紙に小さな机。ふかふかのベッドと、ちょっと散らかった本棚。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:00:32.34 ID:55jPn/3I0
◇◇◇

 ――これは、なんでしょう。
 
 微睡むように曖昧で不確かな世界の中で、私は誰かの歌を聞いていました。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:01:34.60 ID:55jPn/3I0
◇◇◇

「なんだろう」

 感覚が戻った時、まだ自分の存在がハッキリしませんでした。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:02:50.00 ID:55jPn/3I0
◇◇◇

 翌日も、プロデューサーさんとのお話は続きました。

「アイドルって、なんですか?」
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:04:23.60 ID:55jPn/3I0
 アイドルと言う概念はまだ生きていて、21世紀に生まれた大型グループはまだまだ大人気。
 私も、あるクールで澄んだ瞳のアイドルが大好きで、ついつい動画や雑誌を集めちゃってます。
 本当なら実際にライブにまで足を運びたいけれど、私の体では無理なことですよね。

 最初はどうなるかと思いましたけれど、楽しい毎日です。
以下略 AAS



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