12:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:00:32.34 ID:55jPn/3I0
◇◇◇
――これは、なんでしょう。
微睡むように曖昧で不確かな世界の中で、私は誰かの歌を聞いていました。
届かない夢を遠くから眺めながら、歌うことが許されなかった歌を口ずさんでいる。
光の彼方に女の子の影が浮かんでいる。
確かな記憶はないのに、それが大切なものだと心が叫んでいます。
私は、それを眺めている。
それでよかったのかな。
分からない。だけど、影は私の姿を見つめています。
「あなたは――」
その先を口にする前に、世界は急速に光に包まれて、消えてゆきました。
68Res/53.07 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20