7:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 21:56:15.83 ID:55jPn/3I0
「なぜ、笑うんですか? 私と言う存在を構築する上で、これは障害と言ってまちがいないですよ」
だと言うのに、女性は嬉しそうに目を細めて笑う。
「いいのよ。ふふっ」
余りにも能天気な態度に、なって言っていいか分からない……イライラとも違う、困惑? え、困惑? そんな人間の感情のようなものが、私に――人工知能にあるんですか?
私は人工知能です。だけど、何故でしょう、今の私の考えが、まったく機械らしくないです。
「ふふっ」
この人は、本当に私を人間と同じようなものとして扱っているのでしょうか。
「さて、いいからしら」
戸惑いは消えません。でも、たぶん、すぐには答えは出ないと思いました。
「起きてばかりのところで申し訳ないけれど、少しずつはじめましょう――あなたのこと……そう、『島村卯月』について話を始めましょう」
ふと、女性の目が優しくなったように見えました。
「その前に……そうね、名乗っておきましょう。私は――」
女性は、自分がプロデューサーであると名乗りました。
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