10:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 21:59:31.10 ID:55jPn/3I0
それもこれも、この人だからでしょう。
わざとらしいくらいの甘ったるい声に、素顔も分からないくらいの濃いお化粧。でも、飄々としていて、楽しくて……優しくて、温かくて、この人なら、本音を言っても大丈夫だと、確信できました。
「プロデューサーさんのいう島村卯月は――データ上の存在ですよね」
『島村卯月』は『アイドル』だ。
けれど、それは『アイドルマスターシンデレラガールズ』と呼ばれる創作世界における存在です。
『アイドルマスターシンデレラガールズ』は、数十年前に始まったアイドルを育成するゲームで、『島村卯月』はその中のアイドルの一人。厳密には、この世界には居ない。
プロデューサーさんのように現実世界に存在する人間ではなくて、誰かの想像上の存在でしかない。
私と同じように、存在しないモノです。
「身も蓋もないことを言ってしまうと、そうなるわね」
優しい顔を崩さずに、プロデューサーさんは私に言葉をかけてくれました。
「今日は、これくらいにしましょう。アナタもゆっくりおやすみなさい」
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