38:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:28:20.74 ID:55jPn/3I0
「……改めて、お願いできるかしら。卯月ちゃん」
いつもような、甘ったるい声。
いつも以上に、真剣な言葉。
39:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:29:30.00 ID:55jPn/3I0
「アナタに、とびっきり素敵な『声』をくれた人のこと」
「それは――」
その人の名を、私も知っています。
40:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:30:41.69 ID:55jPn/3I0
◇◇◇
オーハシさんとの面会は、すぐにはかなわい、とのことでした。
その間、私は、あの人の映像記録を、何度も見ました。
41:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:31:22.69 ID:55jPn/3I0
◇◇◇
数日後、一人のおばあさんが、私の前に姿を見せました。
そう、オーハシさんです。
42:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:32:06.49 ID:55jPn/3I0
まるで孫に言い聞かせるように、オーハシさんは物語を語りはじめます。
それは、どこにでもいる女の子の物語。
憧れていた場所を、ただ遠くから見ていただけの少女。
自分には何もないと思っていた少女の物語。
43:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:33:33.46 ID:55jPn/3I0
気がつけば、何時間も過ぎていました。
「……楽しかったんですね」
「ええ、とても、楽しかった」
44:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:34:21.85 ID:55jPn/3I0
「あの……オーハシさん」
ニッコリと微笑むと、オーハシさんは私の言葉を待ってくれました。
「私、オーハシさんのステージを……『島村卯月』のステージを、何度も見ました」
45:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:35:18.82 ID:55jPn/3I0
何度も考えたことでした。
だから、迷いは――まだありますけれど、それでも進もうと決めました。
「何度生まれ変わっても、私はアイドルを目指します」
46:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:36:11.74 ID:55jPn/3I0
◇◇◇
『島村卯月』の再デビューの決定。それは、瞬く間に日本中で話題になりました。
――もちろん、いい意味でも悪い意味でも。
47:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:36:46.43 ID:55jPn/3I0
そして、何より背中を押してくれた人たちが――『今のアイドルマスター』に関わる人たちです。
『アイドルマスターシンデレラガールズ』は、一度途絶えてしまいました。
けれど、『アイドルマスター』は形を変えて続いています。
ゲーム、アニメ、実写のドラマ。『島村卯月』は居ないけれど、別の形でアイドルたちは生きています。
68Res/53.07 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20