86:名無しNIPPER[saga]
2017/07/10(月) 23:34:30.31 ID:otTlPJINo
「じゃあ、私も少しだけ休もうかな…Pさん、傍にいてください……ふあ……」
私の頭が、プロデューサーさんの肩に触れる。
87:7. まっすぐに走る[saga]
2017/07/10(月) 23:35:13.65 ID:otTlPJINo
◇
6月下旬。
ドラマ撮影も残りわずかとなりました。
88:名無しNIPPER[saga]
2017/07/10(月) 23:35:44.31 ID:otTlPJINo
「しかし、陸上のユニフォームって結構際どいんだな」
「は、恥ずかしいですからっ」
89:名無しNIPPER[saga]
2017/07/10(月) 23:36:14.43 ID:otTlPJINo
「悠貴、1番大事なことだけ、できたらいいんだよ」
プロデューサーさんの声が、優しいものに変わりました。
90:名無しNIPPER[saga]
2017/07/10(月) 23:36:55.47 ID:otTlPJINo
この人なりに勇気づけようとしてくれるんだ。
大人扱いも、子ども扱いもしない。ちゃんと私が頑張れる一言を言ってくれる。
91:名無しNIPPER[saga]
2017/07/10(月) 23:37:31.48 ID:otTlPJINo
――――――
―――
「悠貴ちゃん、スタンバイお願いします!」
92:名無しNIPPER[saga]
2017/07/10(月) 23:37:57.91 ID:otTlPJINo
「悠貴。 転ばないように、気をつけてな」
プロデューサーさんは、そう言ってすっと手を上げました。
93:名無しNIPPER[saga]
2017/07/10(月) 23:38:24.40 ID:otTlPJINo
◇
私は、8レーンある内、真ん中の5レーンを走ることになりました。
本当の大会だったら、一番速い人たちが走ることを許される特等席です。
94:名無しNIPPER[saga]
2017/07/10(月) 23:39:00.80 ID:otTlPJINo
『――以上、8名により、南関東100m女子決勝戦のレースを行います』
『位置について』
95:名無しNIPPER[saga]
2017/07/10(月) 23:39:35.98 ID:otTlPJINo
ピストル音。
1歩目がぐっと地面をつかんで、すっと次の足が出ていきます。
背が高い私は、細かく足を刻めないので、他の人より素早くスタートできません。
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