8:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:45:05.99 ID:3uv3ojMy0
顧客の奪い合い、人材の引き抜きは日常茶飯事。
剣客を雇い、互いに命を狙い合うことさえもあった。
この両家が美城で争うことになったのは、
9:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:47:32.72 ID:3uv3ojMy0
夜。
桐生つかさは屋敷でくつろいでいた。
旧木場家。かつては木場城と呼ばれ、
10:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:48:50.79 ID:3uv3ojMy0
積極的な郷愁。
夥しい死傷者を出した後でさえ、
町人達はかつての美城を守るつもりだった。
11:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:50:02.01 ID:3uv3ojMy0
この時の桐生には余裕があった。
材木の卸では桐生屋に1日の長がある。
北山、吉野、会津で土地を丸ごと買い上げ、
12:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:52:10.25 ID:3uv3ojMy0
しかし桐生つかさの余裕は、数日後崩れ去った。
杉を運んでいた廻船が、海上で沈没してしまったという。
財前屋の仕業だ。桐生は舌打ちした。
13:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:54:29.34 ID:3uv3ojMy0
翌日昼。
「ははーん。金持ちってのは、気苦労が多くて大変だな。
ほんと、貧乏に生まれてよかったぜ」
14:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:56:17.92 ID:3uv3ojMy0
だが、巷では凄腕の剣豪を
何人も抱えていることで有名だった。
「大人数を正面から相手できるやつは何人かいるんだが…」
15:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:57:42.34 ID:3uv3ojMy0
「して、桐生様。杉の方はどうされますか」
屋敷に戻ると、家来の1人が尋ねた。
「うん」
16:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:58:24.53 ID:3uv3ojMy0
「いや…」
桐生は珍しく、自信なさげに首を振った。
あの杉には手を出してはいけない。
17:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:59:45.34 ID:3uv3ojMy0
後日、木村屋から使いが来た。
身丈は4尺6寸。
はじめ皆は、童女が迷い込んだものと見間違えた。
18:名無しNIPPER
2017/05/31(水) 18:01:51.05 ID:3uv3ojMy0
「杉の原木を大陸から仕入れております」
その話は桐生にとって興味深いものだった。
だが同時に、疑わしいものだった。
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