13:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:54:29.34 ID:3uv3ojMy0
翌日昼。
「ははーん。金持ちってのは、気苦労が多くて大変だな。
ほんと、貧乏に生まれてよかったぜ」
自ら警護を選ぶためにやってきた桐生を、木村夏樹は笑った。
桐生は、なぜか悪い気分にはならなかった。
「お前うちで働くか?」
「やだね。
人の下で働くのは、もううんざりだ」
木村は手をひらひら振って、桐生の誘いを退けた。
その振る舞いにさえ、かえって好感がもてる。
木村は人を惹きつける、不思議な魅力があった。
桐生が現在いるのは、『木村屋』という小さな商屋だった。
家禄と職を失った者達が集まってはじめた、
比較的あたらしい商屋だという。
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