228: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/21(日) 14:19:39.35 ID:Ffb9jAHh0
「……貴女、艦娘のPrinz Eugenでしょう?」
「……ふぇっ!?あ、う、うん!!」
質問の意味を理解しかねてワケも無く二人を観察していた私に、エミはもう一度問いかけてきた。ビスマルクお姉様やデレ中尉にも向けられていた、少し険のある声音。じぃっと此方を見つめてくる一対の瞳に気圧されて、艦娘ともあろうものがたじろいでしまう。
229: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/21(日) 14:21:22.97 ID:Ffb9jAHh0
「そっれっでっ、どうなのよ!?答えてくれるの?!くれないの!?」
「…………うん」
230: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/21(日) 14:36:57.16 ID:Ffb9jAHh0
エミの問いかけに、ビスマルクお姉様は心底不思議そうに眼をパチクリさせた。可愛い。
「私が戦う理由って………そんなもの、貴女たちドイツ国民を、そして世界中の人間を深海棲艦から守るために決まっているわ。それ以上の理由なんて」
「でも、それを望んでいない人間も大勢いる」
231: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/21(日) 14:52:39.24 ID:Ffb9jAHh0
守ってくれるのは解っている。だけど、貴女は「恐ろしい兵器」だから。
深海棲艦と戦ってくれて感謝している。だけど、貴女は「忌まわしい記憶」だから。
いろいろな人たちが私達に向ける「感謝」は、多くの不純物が混じって粘ついて。
232: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/21(日) 15:18:40.11 ID:Ffb9jAHh0
お姉様は、エミの後ろ────東へと逃れていく人々の姿に目を向ける。
「かつて私達が海の上に掲げて戦ったハーケンクロイツは、今のドイツにとっては思い出したくない記憶だと知ったときは、流石に私もショックだったわ。快く思わない人に罵詈雑言を受けて、傷ついたことだってある。……でもね、エミ。それは当然のことなのよ」
お姉様は優しい笑顔で、エミの肩を叩く。いつもと少し違う、諭すような口調で語りかける。
233: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/21(日) 15:38:05.24 ID:Ffb9jAHh0
「………」
从 ゚∀从「………エミ、流石に本当にもう時間が無い。行くぞ」
「う、うん………ビス、その、仕事の邪魔してゴメン」
234: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/21(日) 16:05:05.14 ID:Ffb9jAHh0
235: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/21(日) 16:06:40.16 ID:Ffb9jAHh0
今更新ここまで。続きは夜辺りで。
ようやくKriegのお時間です
236:名無しNIPPER[sage]
2017/05/21(日) 16:28:30.10 ID:dDGal2BA0
おつおつ
これだけ役者も揃って、陣頭に立つドクの姿を想像して笑ってしまったw
自衛隊の逸話(と言うかコピペ)でもあるけど、やっぱ誇りある軍人達ってかっこいいよなあ…
237:名無しNIPPER[sage]
2017/05/21(日) 19:52:43.13 ID:xm+bhM/S0
乙でございます
自衛隊の話は色々とあるよねぇ
和む話も多いけど
和む話はあぁ、うん、自衛隊だものってなるわ
238: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/22(月) 00:24:55.75 ID:i/R4/LC00
《アメリカ国防省は先程、ドイツ・フランス北部にて行われた深海棲艦への攻撃作戦が失敗したことを正式に発表しました。未だ正確な損害は判明していませんが、第六艦隊は少なくとも30%以上の戦力を損失したとみられ、艦娘に轟沈者が出ているとの情報もあります》
《フランス政府は政府機能をパリからル・マンに移転、領内に侵攻する深海棲艦に対し総力を挙げた徹底抗戦を宣言しています。しかしながら東部における戦況は絶望的で、国民の混乱と恐慌による暴徒化・治安悪化は歯止めがかかりません》
《NRKよりベルゲンから最悪の映像をお送りします!深海棲艦の攻撃が、遂にノルウェーに到達しました!激しい爆撃です!見たことも無い黒い戦闘機が街の上を飛び回っています!》
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