231: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/21(日) 14:52:39.24 ID:Ffb9jAHh0
守ってくれるのは解っている。だけど、貴女は「恐ろしい兵器」だから。
深海棲艦と戦ってくれて感謝している。だけど、貴女は「忌まわしい記憶」だから。
いろいろな人たちが私達に向ける「感謝」は、多くの不純物が混じって粘ついて。
当然の反応と解っていても、私は胸に纏わり付いてくるような“不純な感謝”にますます迷いを深くする。
自分に向けられたモノでは無い問いに、それでも自然と私は俯いてしまった。
(……………でも、なんでそれを、今このタイミングで聞きたいんだろう?)
私にはなんだか、エミはその問いかけをエミ自身にも向けているような気がした。
「ええ、そうね。確かに私たちの事を嫌ったり、疎んだり、一刻も早く消えて欲しいって思っている人はいるわ。
それも何人、何十人なんてレベルじゃない、きっと何百万人。世界中に目を向けたら何億人かもね」
下を向いた私と違って、ビスマルクお姉様はエミの問いから、視線から逃げなかった。お姉様は微笑みながら、エミを真っ直ぐに見返す。
「自分が世界中から無条件に感謝されるヒーローだとは思ってないわよ最初から。でもね、それは私が戦いをやめる理由にはならないわ」
「……それは、なんで?」
「彼らもドイツ人で、人間で、艦娘である私が守らなきゃ行けない存在だからよ」
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