【デレマス】「先輩プロデューサーが過労で倒れた」
↓ 1- 覧 板 20
79: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/28(日) 00:13:21.68 ID:Q3fcpmY20
「プロデューサー……掛け声、ほんとに伝統なんスか?」
比奈に尋ねられて、俺は首を横に振った。
「やっぱり、そうっスよね……」
80: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/28(日) 00:15:05.78 ID:Q3fcpmY20
俺は俺自身に対して困惑した。なにが起こっているのかわからなかった。
比奈たちユニットのメンバーに囲まれ、待機しているほかのアイドルたちにも囲まれ、俺は茜を目の前にして動くこともできず、喉の奥から細い息だけを漏らしていた。
どうなっているのかわからないまま、とにかく茜の背に手を添えようと、右手を伸ばしたところで、先に比奈たちが茜に駆け寄る。
それぞれが茜の手を取り、肩に手を添えた。
81: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/28(日) 00:17:21.00 ID:Q3fcpmY20
茜たちとともにバルコニーへ上がるステップをのぼる。
バルコニーのゲートの向こうからは開演を待つファンたちの熱気が伝わってくる。
暗幕で区切られたゲートの前に、それぞれのアイドルが立った。
比奈と春菜は川島瑞樹の両翼に。裕美とほたるは佐久間まゆの両翼だ。
俺は直前の茜の件を受けて、念のために茜の入場位置付近に待機することにした。茜と美穂は、美嘉の両翼となる。
82: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/28(日) 00:18:53.01 ID:Q3fcpmY20
「大丈夫っ!」美嘉が二人の頭に手を置く。「今日はうまくいってもいかなくても、アタシたちが主役なんだから、ぜんぶ成功なの! ね!」
そう言って、美嘉は強い瞳で二人を見る。二人の顔に赤みが戻る。
城ヶ崎美香。この一瞬で、ファンだけでなく同じアイドルの心までひとつにする。恐るべきカリスマ。
83: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/28(日) 00:20:15.66 ID:Q3fcpmY20
-----------
アイドルに憧れ続けていた地元の幼なじみは、高校を卒業すると、すぐに上京して、いくつもの事務所のオーディションに応募していた。
一方の俺は、地方の大学に通いながら、イベントスタッフのアルバイトなど、芸能関係の仕事を積み重ねていた。
幼なじみのアイツはアイドルに。俺はそのプロデューサーに。
高校を卒業するとき、交わしなおした約束に大した拘束力があると思っていたわけではない。
84: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/28(日) 00:21:51.56 ID:Q3fcpmY20
俺はモニターを見つめる。
茜たちは歌い、踊り続けている。
俺は茜とアイツを同一視していた。だから、これまでもずっと、そして呼ぶべき大切な場面で、その名前が呼べなかった。
茜とアイツは違う。
茜がステージに立ち、アイツがたどり着けないところへ茜がたどり着くまで、こんな簡単な事実にすら気づけないなんて。
85: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/28(日) 00:23:33.96 ID:Q3fcpmY20
「プロデューサー」
裕美とほたるがこちらに歩いてくる。
「おう、お疲れ様」
86: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/28(日) 00:29:10.34 ID:Q3fcpmY20
前半戦は以上です。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
裕美、ほたるにフォーカスを当てたエピソード、そしてアイドルたちのさらなる奮闘は後半にて。
はじめての投稿だったので勝手がわからないのですが、後半の開始まではしばらくお時間をいただくことになりそうですので、
このスレッドは後日、ここまででいったんHTML化を依頼しようと考えています。
87:名無しNIPPER[sage]
2017/05/28(日) 01:22:04.55 ID:eEaq8FGm0
よっしゃ、ほたるも出るんだな
期待期待 お疲れお疲れ
88:名無しNIPPER[sage]
2017/05/28(日) 09:53:34.96 ID:HzckTvJ0o
おつ
次も期待
89:名無しNIPPER[sage]
2017/05/28(日) 13:09:31.76 ID:r2qkOUvDO
乙
後半も待ってる
94Res/170.89 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20