【デレマス】「先輩プロデューサーが過労で倒れた」
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83: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/28(日) 00:20:15.66 ID:Q3fcpmY20
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 アイドルに憧れ続けていた地元の幼なじみは、高校を卒業すると、すぐに上京して、いくつもの事務所のオーディションに応募していた。
 一方の俺は、地方の大学に通いながら、イベントスタッフのアルバイトなど、芸能関係の仕事を積み重ねていた。
 幼なじみのアイツはアイドルに。俺はそのプロデューサーに。
 高校を卒業するとき、交わしなおした約束に大した拘束力があると思っていたわけではない。
 特に将来への展望もなかった俺にとっては、選ぶアルバイトの方向性を絞るいい口実くらいに思っていた。

 俺がアルバイトの経験を重ねて少しずつ芸能界の仕事に近づいていく一方、アイツのほうは思わしくなかった。
 オーディションの落選を繰り返し、ようやく小さなプロダクションに入ったものの、まともな仕事は殆どなかった。
 とりあっていた連絡は少しずつ間が空くようになった。

 アルバイトの経験を買われて入った芸能プロダクションから、更に人間関係を伝って転職し、美城プロダクションへ。
 俺はいつのまにか、約束を果たしていた。

 一方で、約束を果たすことができないまま、アイツの心は折れた。
 年齢を重ねてもアイドルとしての実績は得られず、それでも芸能界に残ろうとした結果、来る仕事はアダルトまがいのものばかり。
 そうしてついに、アダルトではないものの、内容の過激なイメージビデオに出演し、その直後に心をすり減らしたアイツは自分で自分の夢に幕を下ろした。

 約束を果たせなくて申し訳ないと書かれたメールの受信を最後に連絡は途絶え、アイツは姿を消した。
 過激なイメージビデオの出演は、人の噂が大好きな田舎の狭いコミュニティには格好の話題であり、地元にも居られなくなったアイツは家族ごとどこかへ引っ越した。

 あとには、約束も夢も目標もなくなった俺だけが残った。
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