165:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/19(火) 11:47:48.91 ID:hdqJBox50
まず最初に視界に入ったのは、大井さんのうつらうつらとしている顔だった。
次の瞬間には落っこちて来そうな、私と真逆に平行した大井さんの風景に、寝起きでぼんやりとしていた私は、こう思った。
ああ天使がいるわ、早く堕天してこいと。
166:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/19(火) 11:57:18.78 ID:hdqJBox50
嬉しくてにやにやと笑ってしまう。ここまでやってもまだ間の抜けた表情をしているから、私は滅多に起こらない奇跡を堪能する。トランポリンで遊ぶ子供みたいに。
そうやっていると大井さんの頭の揺れが収まる。目を覚ましたようだ。すかさず私は手を引っ込め、さも今ちょうど起きたような顔をする。
167:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/19(火) 12:10:03.38 ID:hdqJBox50
そうだ土足で上がり込んだったんだ。そりゃ吹っ飛ばされても文句は言えない。
大井さんの手が静かに私の髪に滑り込んだ。そしてべとべとして、少し縮れた前髪を解くように優しく引っ張りはじめ、大きく息を吸い、ゆっくりと鼻から吐き出した。
168:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/19(火) 13:11:53.90 ID:hdqJBox50
大井「合い鍵全部北上さんが失くしたじゃないですか。私の分も。それで、今申請中なのに一向に渡されないんですけど」
ぺちぺちと私のおでこを一定のリズムで叩き続ける。そして段々と強くなり始めた。
169:名無しNIPPER[saga]
2017/09/19(火) 13:12:54.06 ID:hdqJBox50
お昼ご飯食べてました。ちらし寿司でした。再開します。
170:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/19(火) 13:36:44.37 ID:hdqJBox50
提督「色々とごめんなさい。大井さん」
言いたいことをぐっと抑え込む。だって私が大井さんに言いにきてのは今日の嫌味を言うためじゃないからだ。余計なことを言ってタイミングを逃すのはもうごめんだ。
171:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/19(火) 15:05:47.76 ID:hdqJBox50
そうかあの日以来なのか。ふいに私の胸の奥がひどく痛んだ。
私は大井さんと話すことができなかった期間、無意識に避けていた時間が悲しかった。
172:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/19(火) 15:07:34.99 ID:hdqJBox50
すみませんゲロ吐きそうなんでまた次回になりそうです。季節の変わり目なので、みなさん体調には気を使ってくださいね。
173:名無しNIPPER[sage]
2017/09/19(火) 17:22:20.68 ID:74ryuXxZO
乙
体調には気をつけろよ?(パンツ一丁)
174:名無しNIPPER[sage]
2017/09/20(水) 02:06:10.28 ID:/GsPM1Dwo
体を暖かくして寝ろよ(裸ソックス
175:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/24(日) 18:17:55.99 ID:9Yx7nbA30
大井さんの無表情が怖いからだ。
蛇に睨まれた蛙の文字がふと脳裏をよぎる。たぶん蛙はこんな私と同じ状態になるのだろう。
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