374: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/10(土) 13:07:47.04 ID:kxRu56uZO
不安や恐怖に駆られた人間は、自分の事しか考えられないのかもしれません。
もしくは……私がクズなだけなのでしょう。
この時私は精一杯の笑顔で、痛々しいお願いを囁いたのでした。
375: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/10(土) 13:08:33.35 ID:kxRu56uZO
「…………ばか。」
「至って真面目だよ。」
376: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/10(土) 13:09:18.97 ID:kxRu56uZO
ふと目を覚ますと、彼はテーブルに置いたタバコと錠菓へと手を伸ばした。
きついミントの錠菓を噛み砕き、メンソールの煙を深く吸い込む。
その時少し上下していた彼の肩は、崩れるように落ち着きを取り戻していた。
377: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/10(土) 13:10:05.99 ID:kxRu56uZO
今回はここまで。
378:名無しNIPPER[sage]
2018/02/10(土) 13:10:33.77 ID:WTCCq5nbO
偶然開いたらリアルタイム更新だったわ
おっつおっつ
379: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/20(火) 06:29:13.47 ID:UQb2c9ARO
いつかのとある春の日。
小川沿いに続く桜並木を、一人の女が歩いていた。
ひらひらと舞う花びらは、彼女の黒髪をより色濃く映えさせる。
しかし春風の音は、イヤホンに阻まれ彼女の耳には届かない。
380: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/20(火) 06:30:18.87 ID:UQb2c9ARO
『話したい事…山のようにあったけど……もうどうでもいい…今は君に…』
イヤホンから流れる歌声に合わせ、ぽつぽつと唇が揺れる。
381: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/20(火) 06:31:38.42 ID:UQb2c9ARO
あの件から一月以上経ちました。
年も明けましたし、もうお正月ムードもとっくに過去のもの。
その間も色々ありましたねぇ…まずは事情があって、みんなより少し遅くお正月休みをもらっていました。
警察の事情聴取に行く為、正月明けにこそ地元にいる必要があったからです。
382: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/20(火) 06:33:01.20 ID:UQb2c9ARO
一見いつもの日常に戻ったようですが、ちょっとした変化もありました。
和解した頃から山城ちゃんとはよく連絡を取っていて、気付けば演習でどちらかが出向くとご飯を食べに行く仲に。
そこまで他所の鎮守府の子と仲良くなれたのは初めてでしたし、他所の面白い話を聞けるのはこう…記者魂がふつふつとしたり。
そっちは私が担当してる季刊誌には、書けない事ばっかりですけどね。
383: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/20(火) 06:34:26.10 ID:UQb2c9ARO
384: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/20(火) 06:36:02.69 ID:UQb2c9ARO
「おはよー!」
「ええ、おはよう…。」
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