375: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/10(土) 13:08:33.35 ID:kxRu56uZO
「…………ばか。」
「至って真面目だよ。」
「うん……ごめんね、変な事言って。」
ぎゅっと抱き付けば、胸の奥は暖かくて。
もう誰にも渡したくないぐらい、それは大切なもので。
そんな未来が来ないよう、生きようと私は決めたのでした。
血の匂いも返り血のぬくもりも、忘れる事は出来ないけれど。
人の笑顔が何よりのスクープだと遺してくれた叔父さんの為にも、私も笑って生きて、そばにいるジュンを笑わせて行きたいって。そう思えたんです。
「ジュン……生きよ。」
「……当たり前だ。」
それ以上の言葉は、この夜には要りませんでした。
ただ抱き合って、心臓の音を感じて。
この時私は悪夢どころか夢も見ないような深い眠りに、ようやく辿り着けたのでした。
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